第20章 ほどけない夜が明けた後は ✳︎✳︎
彼女の左頬を右掌で、そっと包む。小づくりな顔だ。
「かわいいと言うのは、今の君のような顔を言うのだが?」
「……からかわないでください」
「からかってなどないぞ」
俺は自分の体を起こして、彼女を見下ろすようにして跨ると、先程包んでいた左頬をゆっくりと撫でた。滑らかで触り心地がよい。
「本当の事だ。君はとてもかわいい」
目の前の恋人の顔がほんのり赤く色づく。これに気分が良くなった俺は瞼と鼻、両頬に口付けを落とした。
「何度伝えても足りないぐらいにな」
そして七瀬の唇を再度、柔らかく奪う。
すると、細く引き締まった両腕が俺の首に回される。
これが先に進めても良い、と言う彼女からの了承の合図。
ちう、と啄む口付けを数回繰り返す。
そのまま左頬に当てていた掌を顎、鎖骨……と滑らせて行き、その下にある柔らかな2つの膨らみをゆっくりと揉みしだいて、形を変化させる。
この自分の掌にちょうどおさまる大きさ。愛おしいな、とつくづく思う。