第19章 獅子なる星が降る夜に ✳︎✳︎ +
「はあっ」
私は息が上がり始めていた。
「まだ始まってもないぞ」
杏寿郎さんは私の体を自分の方に向け、布団に寝かせた後、耳たぶを甘噛みした。
耳の中がぬるりとした刺激でいっぱいになる。彼の舌が丁寧に隅々まで行き渡ると、今度は口づけをしながらつつつ……と下に辿っていく。
「んん……」
「七瀬」
目をつぶっていると、顔のすぐ上から名前を呼ばれた。
「もっと君に近づきたい、いいか?」
近づく ——— その意味合いを想像すると徐々に体が熱くなって来る。
私は杏寿郎さんの首に手を回した。そして、彼の頭をゆっくりと自分の胸元に引き寄せた。
髪の毛、ふわふわで気持ち良いな。
金色の髪にゆっくり手を差し入れて撫でてみると、とても気持ちよさそうな反応を見せてくれた。私は微笑ましくなった。