第19章 獅子なる星が降る夜に ✳︎✳︎ +
「師範と一緒に見れて良かった」
「む?」 「え?」
まずい!心の声、そのまま漏れた??
「今、なんと言った?」
「うーん……何か私言いましたか?」
しまった。どうやってごまかそう。どうしよう、どうしよう。混乱してるから、それしか考えられない。
「聞き間違いでなければ、俺と一緒にみれて良かったと、そう聞こえたが?」
はあ、と大きくため息が出た。全部聞かれていたからだ。
師範は「ん?」と腕組みをしながら私を見ている。
それは物凄く優しい顔。
ちょっとこれは……勘違いしてしまいそうだな。
でも ——
もしかして、伝えるなら今なのかな。んん、でもどうしよう……なかなか気持ちに踏ん切りがつかない。
その時だった。
『思う方がいるのなら、結果がどうあれ、伝えた方が良いのではないですか』
『恋仲になった!』
しのぶさんと炭治郎が先日言っていた言葉が急に頭を巡る。
ああ!もう!ここは当たって………
「師範!」(砕けろ!)
私は彼をまっすぐ見上げた。いきなり大きな声を出したからか、何事だ?と訝しむ表情を私に向けている。
緊張する……そんな中、ゆっくりと深呼吸を一回する。
「私、師範の事が好きです」
師範の大きな目が更に見開かれた。
「…大好きです!」
とうとう言ってしまった ———