第16章 甘露煮と羨望
「久しぶりだな、七瀬との任務は」
「そうだねぇ」
私達は田んぼの畦道を連れ立って歩いている。前回一緒だったのが、確か半年前。
「合同稽古はキツイけど、俺すごく楽しい。煉獄さんは教えるのが上手だよな」
「そうそう、上手だよね。それ言ってあげたら?喜ぶと思うよ。でも炭治郎の言う通り、本当キツイよね」
私は苦笑いしながら炭治郎に答える。ハハハ……と乾いた笑いが彼の口からも出た。
「七瀬もカナヲも凄いと思う。毎日やってるんだもんな。俺も頑張るよ」
炭治郎は右手をグッと握ると、ニコッと笑う。
カナヲか……よし、聞いてみよう。
2人の様子をみてると、思い合っているのは間違いないから。
「あのね。炭治郎。カナヲとは最近どうなの?」
「えっ?」
炭治郎は急に顔を赤く染めたかと思うと、目まで泳ぎ出した。
……わかりやすい。それに何かかわいい。
先日のしのぶさんの気持ちがわかるかも……と私はほくそ笑んで、彼の返答を待つ。