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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第66章 I want to be scarlet ✳︎✳︎



翌日の朝稽古にて——

「伍ノ型 —— 炎虎!!」

対峙している杏寿郎さんから放たれたのは私が炎の呼吸の中であまり得意ではない型。
それに対し、炎虎は彼の得意の型。いわば十八番である。


炎虎が得意な彼。
炎虎が苦手な私。

日輪刀だけではなく、得意不得意の型まで対照的だ。
先日は受け損ねて見事に木刀が折られてしまった。今日はそんな事になるわけにはいかない。

呼吸を水に変え、スウ……と息を整える。弟弟子の炭治郎が鼓屋敷での任務時に使ったと言う、参ノ型と陸ノ型の合わせ技だ。

木刀の周辺から炎が消え、水流が周辺にザン……と波打つように漂う。


「ねじれ渦・流流!」

雄叫びを上げながら真っ直ぐとこちらに向かってくる紅蓮の虎。
大きな大きな口を開け、自分をまるごと食い尽くそう。
そんな一頭の虎が迫って来る。

私は木刀周りの水流を空気と絡めていくように、一回転、二回転と振るうと少しずつ虎の炎が弱まっていく。


——— ように見えたのも束の間。


「肆ノ型 ——」
『!!しまった、炎虎に気を取られすぎた……』


「—— 盛炎のうねり!」
回転した炎の渦が炎虎を後方から後押しするかの如く、私を襲う。


『あついっ……』 「玖ノ型・水流……」

“飛沫”
歩幅を細かくして即座に移動を開始したが、燃える虎と渦に木刀ごと後ろに吹き飛ばされ、自分の体が宙に舞った。














「いたたた……」
「大丈夫ですか?七瀬さん……」

柔軟を含めた稽古が全て終わり、私は縁側に座って千寿郎くんから冷水で冷やした手拭いを両腕に当ててもらっていた。

「伍ノ型、肆ノ型の連撃って私もやった事あるんだけど、全然威力が違うの。どうしたらあんなに強く放つ事が出来るんだろうね」


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