第3章 その日
「いーよな、お前らは10番以内に入れてよ!どーせ憲兵団に入るんだろ?」
ご飯を食べていたら、一人の男の人がジャンに突っ掛かっているのが見えた。
何気なく其れを見ていたら、今度はジャンがマルコに突っ掛かっていた。
おいおい・・・。やめてやれよ。
可哀相に、ジャンの所為でマルコが皆に責める様な眼差しで見られている。
「は・・・恥を知れよ、少なくとも俺は―――――!!」
「あ~すまん、俺が悪かった。お前は優等生だったな。」
マルコがジャンに対して怒鳴っている。
ジャンは謝っているが、絶対に反省はしていないだろうな。
「しかし、お前らならどうする?俺達が内地に住める機会なんて、そうそうないぜ!?それでも人類の砦とかいう美名のために此処に残るのか?」
・・・・・・。
沈黙が続く。
そして誰かがポツリと呟いた。
「そりゃあ・・・、好きでこんな端っこに生まれたわけじゃないし・・・。巨人の足音に怯えなくて済むんなら・・・。」
「だよなぁ・・・。みんな内地に行きたいよな・・・。で・・・お前らは?」
今度は前に座っているベルトルトとアニに聞いている。
懲りないなぁ・・・、ジャンも。
「僕は憲兵団を志願するよ。」
「私も・・・だけど、あんたと一緒だとは思われたくないわ。」
うへぇ、ハッキリ言うなぁ・・・。
それを聞いて、ジャンは笑っている。
何ていうか・・・、いろんな意味で凄い人だな。
そんな事を考えていたら、エレンが立ち上がった。
お皿、片付けに行くのかな?
「なぁ・・・。」
「・・・エレン?」
「内地が快適とか言ったな・・・、この街も5年前まで内地だったんだぞ。ジャン・・・、内地に行かなくても、お前の脳内は”快適”だと思うぞ?」
「きゃああぁあ!?」
私の横に座っていたライナーがエレンの言葉に飲み物を噴出し、それが私に掛かった。
その時、ジャンと話している筈のエレンとエレンを止めているミカサが同時にコッチを見た。
さすがに、それは怖いよ・・・。
「ひっ!す・・・すまん!」
ライナーが怯えたような、引き攣った声を出した。
ごめんね、ライナー・・・。
てゆーか、エレンも一々ジャンに喧嘩を吹っ掛けるような事はしないほうが・・・。
そう思って、エレンに声を掛ける。
「エ、エレン、やめた方がいいよ。」