第3章 その日
「周知の通り今から107年前、我々以外の人類は・・・皆、巨人に食い尽くされた。その後、我々の先祖は巨人の越えられない強固な壁を築くことによって、巨人の存在しない安全な領域を確保することに成功したが・・・、それも5年前までの話・・・。諸君らの中には、その場に居合わせた者も少なくないだろう。・・・―――――。」
とか何とかオッサンが話している。
正直眠たくてしょうがない。
「・・・―――――心臓を捧げよ!!」
ハッ!!!
びっくりした・・・。
大きな声で反射的に動いてしっまた。
皆もドンッと音がしそうな程力強く敬礼している。
「本日、諸君らは訓練兵を卒業する・・・。その中で最も訓練成績が良かった上位10名を発表する。呼ばれた者は前へ。
主席、ミカサ・アッカーマン
2番、ライナー・ブラウン
3番、ベルトルト・フーバー・・・」
凄い・・・。
ミカサが主席だ・・・。
やっぱ知っている人が呼ばれると、こっちもドキドキするな。
エ、エレンは・・・。
「4番、アニ・レオンハート
5番、エレン・イェーガー・・・―――――。」
エレンが呼ばれた・・・。
その事にギュッと体に力が入る。
きっと、ミカサもエレンも調査兵団に入るのだろう。
私も・・・、少しは役に立たなきゃ!
「以上10名・・・――――。本日を以て、訓練兵を卒業する諸君らには3つの選択肢がある。
壁の強化に努め各街を守る、駐屯兵団。
犠牲を覚悟して壁外の巨人領域に挑む、調査兵団。
王の元で民を統制し秩序を守る、憲兵団。
無論、新兵から憲兵団に入団できるのは成績上位10名だけだ。後日、配属兵科を問う。
本日は、これにて第104期訓練兵団解散式を終える・・・以上!」
ハッ!
心臓の位置に拳を置く、心臓を捧げるという意味があるこの敬礼をして、声を張り上げる。
やっと長い話が終わる・・・。
ずっと立っていて疲れはしないが、精神的にくるものがある。
そういえば次は夕食だな。お腹すいた・・・。