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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第9章 柱合会議





美玖?いるのか?


スーッと襖を開けて部屋に入る。
お館様の屋敷の客間に美玖が居ると聞き、杏寿郎は部屋まで来ていた。
中に入ると、すっかり眠り込んでいる弟子が一人。

お館様の屋敷で眠りこけるとは…!


ふっ…よもやよもやだな。


呆れながらも美玖の隣に腰掛ける。
昨夜の任務の後、炭治郎とその妹の事が気になって眠れなかった美玖は、杏寿郎の気配にも一切気付く事なく眠り続けている。


杏寿郎は特に起こそうとはせず、
座ったまま、美玖を見ながら物思いにふけっていた。


…先程の竈門少年はとても良い少年であり、
とてもいい兄なのだろう。
妹の事をとても大事にしていた…鬼になっても。

竈門少年を見ていると、自身の美玖への気持ちは、やはり兄として妹を想う気持ちと思っていいのではないかと思えた。

そして、もしも美玖が鬼にされてしまったら、俺もあの少年と同じ事をするのではないか…とも思った。

例え鬼になってしまったとしても、美玖を殺す事など、俺には到底できそうにないからだ。


あの少年と妹が、お館様にお認めいただけてよかった。
恐らく、美玖も安心するだろう…。


まだ眠っている美玖の頭を
軽く撫でてみると、少し微笑んでみせるがまだ寝ている。

あまりに気持ち良さそうに寝ているものだから、
杏寿郎もだんだん目蓋が重くなっていった。



ー…


んっ…?

美玖は部屋に差し込んできた
夕陽の眩しさに思わず目を開いた。

目を開けると、見慣れぬ天井が見えた。


お館様の屋敷に居たことを思い出し、師範を待っているうちに眠ってしまったのだと気付く。…やってしまった…。

師範はまだ屋敷に居るだろうか…。


気になって起き上がると、


おっ!目が覚めたようだな!


師範が部屋の隅に腰掛けていた。
どうやら待たせてしまったらしい。



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