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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第9章 柱合会議





師範、すいません…!
お待ちしていたつもりが、
逆に待たせてしまったなんて、、


美玖が申し訳なさそうに口を開くと、
杏寿郎は優しく微笑んで答えた。


気にする事はない!
昨夜は、任務ご苦労だった!
俺が休んでいて欲しかったんだ。

そうだ、今日の柱合会議で、
以前言っていた鬼を連れた少年の話が出た。

お館様も皆も、二人を認める事になった。


杏寿郎の話を聞いた途端、
美玖の顔に喜びが広がっていく。


…よかったあ…!


ああ、そうだな!
彼らは蝶屋敷でしばし療養するようだ。
時間を見て見舞ってみてはどうだ?


そうですね。そうします!
炭治郎はひどい怪我をしてたし、
善逸は身体が縮みかけていたし…。
治るといいんですが…


胡蝶に任しておけば問題ないだろう!
竈門少年は確かに酷い怪我であったが、
柱に頭突きをする程元気だったからな!


はっはっはと笑いながら杏寿郎が言う。
柱に頭突きをかますとは、
一体どんな会議だったのかと恐ろしくなる美玖。

そのまま、杏寿郎が声を落として続けた。


しかし、皆が認めてくれてよかった。
そうでなければ、美玖も鬼を庇った事に対し、何かしら処罰されてしまうところであった。胡蝶から話を聞いた時は、さすがに驚いた。


…勝手な事をしました…。すいません…。


いや、いいんだ。謝らないでくれ。
美玖の判断に間違いはないと信じよう。
実際にあの妹は、誰も襲おうとはしなかった。


…はい。私も、最初はびっくりしたんですが、
全く敵意を感じなかったので…つい。


美玖の言葉に、杏寿郎は少し語気を強める。


美玖、怒っているわけではないがー…
自身の身の事をもう少し気にかけてくれ。
一歩間違えば、美玖も処罰されていたんだ。

鬼を庇えば斬首。
それはよくおぼえておいてくれ。


…っ…はいっ…。


しょんぼりと俯いた美玖に、
杏寿郎はうむっと唸ると、
打って変わって明るい声で話しかけた。


では、この話は終わりだな!
もう日暮れが近い。家へ帰るとしよう!


杏寿郎と美玖は
お屋敷を出て帰路についたのだった。



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