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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第9章 柱合会議





箱の中から、禰豆子がゆらりと立ち上がる。
先程刺された為、少し傷を負わされていた。

普通の鬼であれば、
回復のため、人間を襲うところだろう。


しかし禰豆子は、血塗れの不死川の腕を見つめた後、
プイッと顔を背けて食いつこうとはしなかった。


これには不死川も言葉が出ない。


少し間を置いて、お館様が声を発する。


…どうしたのかな?


それに対し、娘が状況を説明した。


鬼の女の子はそっぽ向きました。
不死川様に三度刺されていましたが、
目の前に血塗れの腕を突き出されても
我慢して、噛まなかったです。


ー…ではこれで、禰豆子が人を襲わない事の証明ができたね


お館様の言葉に、皆静かに耳を傾けた。

鬼が、人を襲わない様を目の当たりにして、
柱達は何を思ったのだろう。


その後、炭治郎は胡蝶の屋敷で治療する事になり、
禰豆子と共に隠に連れられて退出した。



ー…
そろそろ柱合会議をはじめようか。


炭治郎の話が終わり、
改めて柱合会議が始まった。


会議は、通常通りに進み、
一刻程で終わりを迎えた。


ー…


杏寿郎、すまないね。
残ってもらって。


とんでもございません!


実は、昨日は槇寿郎と話をしたんだ。
槇寿郎が、以前のように元気になってくれてよかったよ。


はっ!ご心配をお掛けいたしました…!


いいんだよ。
実はね、杏寿郎に行って欲しい任務があるんだ。


はっ!どのような任務でも、
精一杯務めさせて頂きます!


ありがとう。
列車内でね、既に何人もの人が行方不明になっているんだ。
子供たちを数人向かわせたけど消息を絶っている。
準備して、現地に向かってくれるかな?


はっ!かしこまりました!


杏寿郎がお館様との話を終えて庭を歩いていると、
まだ残っていた胡蝶から声をかけられた。


煉獄さん、行かれるのですね。


ああ!何人も行方不明になっているそうだ!
十二鬼月がいるかもしれん。


難しい任務になりそうですね、
お気をつけて…。


胡蝶と言葉を交わし、杏寿郎は美玖の元へと向かった。



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