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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第9章 柱合会議




鬼舞辻とは、鬼の始祖。
この世に初めて生まれた鬼であり、
全ての鬼は鬼舞辻によって生み出されている。

鬼殺隊の本懐はこの鬼舞辻の抹殺にあるのだ。


だが、鬼舞辻は隠れるのが上手く、
柱達ですら、遭遇した者はいない。
それなのに、ここにいる炭治郎が遭遇してるというのだから、柱達が驚くのも無理からぬ事であった。


そんな…まさかっ!
柱ですら誰も接触した事がないというのに…!

どんな姿だった?能力は?場所はどこだ!

戦ったの?

鬼舞辻は何をしていた?
根城は突き止めたのか?!


柱達から一斉に質問を浴びせられ、
ただでさえ昨夜の戦闘で満身創痍だった炭治郎は
目をぐるぐるとさせていて返事ができない。


ざわざわとした空気の中、
お館様が人差し指を口の前に当てる。

その瞬間、皆が一斉に静かになり、姿勢を正した。

静かになったところでお館様が口を開く。


鬼舞辻はね炭治郎に向けて追っ手を放っているんだよ
その理由は単なる口封じかもしれないが
私は初めて鬼舞辻が見せた尻尾を掴んで離したくない

恐らくは禰豆子にも鬼舞辻にとって
予想外の何かが起きているのだと思うんだ。

…わかってくれるかな?


柱達は今のお館様の話を聞いて、
おおむね納得している様子であった。

約二名を除いて…


…わかりません、お館様
人間なら生かしておいてもいいが鬼は駄目です


不死川はそう言うと、日輪刀で己の腕を斬りつけた。


お館様!証明しますよ、俺が。
鬼というものの醜さを…!


そうして、自身の腕から流れる血を
禰豆子の入った木箱の上に垂らしていく。


しかし、禰豆子が出てくる様子はない。
すかさず伊黒が口を挟む。


不死川、日向ではダメだ
日陰に行かねば鬼は出てこない


伊黒の忠告に、不死川は動いた。


お館様、失礼仕る…!


不死川は禰豆子の入った箱を持って屋敷の部屋の隅に置いた。
日は当たらない為、禰豆子も出てこれる場所だ。


そして、禰豆子の箱の扉を乱暴に開いた。


出てこい鬼ィィ!
お前の大好きな人間の血だァ!


その様子に、炭治郎は堪らず駆け寄ろうとするが、
伊黒に後ろから押さえられてしまい身動きが取れない。



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