第9章 柱合会議
ー…そうだね
驚かせてしまってすまなかった
炭治郎と禰豆子の事は私が容認していた
そして皆にも認めて欲しいと思っている
!!!
お館様の言葉に、柱達全員が驚いていた。
嗚呼、たとえお館様の願いであっても、
私は承知しかねる…
岩柱の悲鳴嶼が口を開いた。
続いて宇髄、伊黒、煉獄、不死川もそれに同調する。
鬼を滅殺してこその鬼殺隊
竈門、冨岡両名の処罰を願います
不死川が言い終えると、
お館様が一通の手紙を娘に読み上げさせる。
こちらの手紙は元柱の鱗滝左近次様から頂いたものです。
一部抜粋して読み上げます。
炭治郎が鬼の妹と共にあることを
どうかお許しください
禰豆子は強靱な精神力で人としての理性を保っています
飢餓状態であっても人を喰わず
そのまま二年以上の歳月が経過致しました
俄には信じ難い状況ですが紛れもない事実です
もしも禰豆子が人に襲いかかった場合は
竈門炭治郎及び鱗滝左近次、冨岡義勇が
腹を切ってお詫び致します
…手紙の内容を聞き終えると、
炭治郎は両目から大粒の涙を溢していた。
禰豆子の為に二人が命をかけてくれていたなど、
夢にも思っていなかったのだ。
不死川が手紙に対して、口を開こうとした時、
彼より先にお館様が話し始めた。
この手紙も勿論だがー…、
昨夜、那田蜘蛛山でしのぶの継子が禰豆子に斬りかかった時も、禰豆子は反撃せず逃げていただけだというし、杏寿郎の継子が禰豆子を抱えた時も襲う事なく大人しくしていたそうだ。
っ…納得できません。そんな事、信用できない。
人を襲わないという保証にはなりません。
…そうだね。人を襲わないという証明ができない。
でも、襲うということもまた証明できない。
!!
禰豆子が二年以上もの間人を喰わずにいるという事実があり
禰豆子の為に三人の者の命がかけられている
これを否定する為には否定する側もそれ以上のものを差し出さなければならない
…っ!
それに炭治郎は鬼舞辻と遭遇している。
お館様の言葉にその場にいた者全員が驚嘆した。