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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第9章 柱合会議





木箱から流れる血を見た途端、
炭治郎は縛られたまま不死川に向かって行った。

とても動けるような状態ではなかった筈なのに。


俺の妹を傷つける奴は、
柱だろうが何だろうが許さない!!


ハハハハ!そうかい、よかったなァ


向かってくる炭治郎に、
不死川は挑発するかのように返事をした。

その時、ずっと黙っていた冨岡が口を開いた。


やめろ!もうすぐお館様がいらっしゃるぞ!


その言葉に不死川の動きが一瞬止まった。
その時、炭治郎が不死川に思い切り頭突きを食らわせたのだった。


…冨岡が横から口を挟んだとはいえ、
不死川に一撃を入れた…

その様子を伊黒は不思議そうに見つめていた…。


炭治郎は、縛られた手で木箱の紐を掴み、
不死川に向かって声を発した。


善良な鬼と悪い鬼の区別もつかないなら
柱なんてやめてしまえ!!


てめェ…ぶっ殺してやる!!


不死川が激怒して
炭治郎に掴みかかろうとした時、
お館様が部屋から出て皆の元に向かってきた。


お館様のお成りです。



ー…よく来たね。
私の可愛いこどもたち。

お早う、皆。今日はとてもいい天気だね。
空は…青いのかな?

顔ぶれが変わらずに半年に一度の
柱合会議を迎えられたこと、嬉しく思うよ。



お館様…そう呼ばれている男性は
額から鼻の上まで、アザのようなものに覆われている。
目には色がなく、何も見えていないようだった。


柱達は、お館様が来た途端、頭を下げている。


ぼーっとしていた炭治郎は
不死川の手で、無理矢理頭を下げさせられる。


そこで、不死川がお館様へ声を掛けた。


お館様におかれましても御壮健で何よりです。
益々のご多幸を切にお祈り申し上げます。


ありがとう、実弥


畏れながら、柱合会議の前に
この竈門炭治郎なる鬼を連れた隊士について
ご説明頂きたく存じますがよろしいでしょうか


炭治郎は、先程までと同一人物とは思えない程、しっかりと喋り出した不死川に驚きを隠せない。

…知性も理性も全く無さそうだったのに
すごいきちんと喋り出したぞ…


不死川の言葉に、お館様が声を掛ける


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