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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第9章 柱合会議





起きろ

起きるんだ

やいてめぇ…いつまで寝てんだ!
さっさと起きねぇか!!


隠から大きな声で起こされ、
炭治郎はようやく目を覚ました。


柱の前だぞ!!


砂利の上に縛られて転がされている炭治郎を囲むように、
柱と呼ばれる人達が並んでいた。


柱が何のことか分からない炭治郎は、
自身の置かれている状況が掴めていない様子だ。
そんな炭治郎に胡蝶が柔らかい口調で説明した。


ここは鬼殺隊の本部です。
あなたは今から裁判を受けるのですよ
竈門炭治郎くん。


胡蝶の説明が終わると、煉獄が口を開く。


鬼を庇うなど明らかな隊律違反!
我らのみで対処可能!鬼もろとも斬首する!


煉獄の言葉に同調するように、音柱の宇髄が続く。


ならば俺が派手に頸を斬ってやろう
誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ
もう、派手派手だ。


二人の言葉を聞き、恋柱の甘露寺は、

ええ、こんな可愛い子を殺してしまうなんて
胸が痛むわ、苦しいわ…

と、心の中で思っていた。


他の柱達も各々炭治郎について話しているが、
甘露寺以外は殺す事に賛成の様子だ。


そんな状況下に置かれながら、
炭治郎は禰豆子の姿を必死に探していた。


その時、蛇柱が口を開いた。


そんなことより冨岡はどうするのかね


不意に頭上から降ってきた声に皆が振り返る。
木の枝にまるで蛇が絡まりついているかのように横になっている伊黒小芭内に、皆の視線が集まった。


拘束もしてない様に俺は頭痛がしてくるんだが
胡蝶めの話によると隊律違反は冨岡も同じだろう
どう処分する どう責任を取らせる
どんな目にあわせてやろうか


那田蜘蛛山で胡蝶から炭治郎と禰豆子を庇っていた冨岡は、皆から離れたところで一人佇んでいた。


まぁ、いいじゃないですか。
大人しくついて来てくれましたし、処罰は後で考えましょう
それよりも私は坊やの方から話を聞きたいですよ


胡蝶が炭治郎に語りかける。
炭治郎は顔を上げ、声を出そうとしたが、
突然、激しくむせこんでしまう。
長い時間水を飲んでいなかった為だろう。


水を飲んだ方がいいですね
ゆっくり飲んで、話してください。


胡蝶に水を飲ませてもらい、
改めて炭治郎が口を開く。



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