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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第9章 柱合会議





美玖を送り出した後、

杏寿郎は杏寿郎で柱合会議の為、
お館様の屋敷へ向かう準備をしていた。


美玖は大丈夫だろうか。


ここ最近の仕事ぶりから考えて、
大きな怪我などはないだろう…。

今回は、すぐに柱が向かう手筈になっている。


…ふっ…。


一つため息混じりに息を吐く。

冷静になれ。杏寿郎。
己の継子は、それに足る実力を持っている。


客観的にー…お館様や隊士達は美玖が任務に出る事に対し、このよつに不安になる事はないだろう。皆に言われるように、杏寿郎が美玖に対し、過保護である事は間違いない。


妹…だとしたら、このように心配するものなのだろうか。


何度か悩んでいた美玖に対する想い。
依然として、答えは出ないままであった。



ー…



柱合会議の日、
杏寿郎が来た時にはすでに到着している者がいた。

水柱の冨岡と、蟲柱の胡蝶だ。

あと、柱ではない隊士が砂利の上で眠っているようだ。
なぜ、このようなところにいるのかー…?


冨岡!胡蝶!随分と早いな!
ところで、この少年はどうしたのだ?


煉獄さん、先日はどうも。
この子はこれから裁判を受ける、竈門炭治郎くんです。
どうやら、鬼になった妹を連れて行動していたようです。


……!!それは、本当か?


ええ。妹さんも、こちらに居ます。


そう言うと、胡蝶は近くに控えている隠を見る。
そちらに視線を向けると隠は何か木箱のようなものを持っていた。

その箱からは、確かに鬼のような気配がしてくる。


…依然、美玖が言っていたのはこの少年の事だったか。
昨夜、那田蜘蛛山で明らかになったということか…。


煉獄が考えていると、胡蝶が言葉を続けた。


そうそう、美玖さんもこちらにいらしてます。
なんでも、鬼の妹をカナヲから庇ったようでして…。


っ…!よもやよもやだ、それは、すまなかった!


いえ、何か事情があっての事なのでしょう。
お館様とお話されてると思いますので。


うむ。



ー…

その後、柱が到着するたびに胡蝶は事情を説明した。
9名の柱が集まる頃には、辺りはすっかり明るくなっていた。



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