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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第8章 那田蜘蛛山





はっはっはっは!
こいつらアホだぜ!仲間同士の斬り合いがご法度ってしらねぇんだ!


つい先日まで自身も知らなかったというのに、
名も知らない、斬りつけてくる隊士に向かって伊之助は得意げに声を上げていた。

先程見つけた人影は鬼殺隊員だったが、
村田が言っていたように、こちらに斬りかかってきたのだ。


しかし、何か様子がおかしい。
それに、明らかに死んでいる者も動いている。

…何かに操られているのだろうか?

炭治郎が攻撃を避けながら考えていると、
伊之助が刀を振ろうとする。


!伊之助ダメだ!
まだ生きてる人も混じってる。
それに仲間の亡骸を傷つけてはいけない!


否定ばっかするんじゃねぇ!


緊迫した状況であるにも関わらず、伊之助は炭治郎にタックルをおみまいしていた。その時、村田に二人の隊士が同時に斬り込んできた。
村田が思わず悲鳴を上げると、すかさず炭治郎と伊之助が助けに入る。

その時、炭治郎は奇妙な匂いを感じ取った。
操られていた隊士の背中の方から香ってきたようだ。


炭治郎は背中の方に刀を振る。
すると、糸のようなものが切れて、隊士は地面に倒れた。


糸だ!糸で操られてる!糸を切れ!


炭治郎の言葉を聞き、
伊之助は全員の糸を切っていく。


しかし、糸を切った筈なのに、
少し経つと隊士達はまた動き出した。


…!やはり、操っている鬼を見つけなければ…!


炭治郎が頭を悩ませていると、
頭の上の方から、子供の声が聞こえてきた。


僕たち家族の静かな暮らしを邪魔するな


そこに居たのは累だ。
上空に張った糸の上を難無く歩いている。


…お前らなんてすぐに母さんが殺すから


そう言うと、累は歩き去って行った。



…母さん…?それに、家族とも言っていた…。
炭治郎が考えながらも応戦していると、
村田が炭治郎に向かって叫ぶ。


ここは俺に任せて、二人で操っている鬼の元へ行け!
糸を切ればいいと分かったし、ここにいる者達は動きも単純だ!
鬼の近くはもっと強力に操られている者もいるはず…
二人で行ってくれ!


分かりました!ありがとうございます!


村田に礼を言い、炭治郎は伊之助と共に、
操っている鬼の元へと急いだ。



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