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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第8章 那田蜘蛛山





父鬼は、その姿を見ると、
つい先程まで乱れていた呼吸が嘘のように、
静かになっていた。

まるで息の仕方を忘れてしまったかのようだ。



子供鬼は音も立てずに父鬼の側へ寄る。

次の瞬間には、
父鬼の頸は子供鬼の手の中にあった。


子供鬼は、
怒りに身体を震わせ、



ねぇ、何をしてるの?
父親は、ちゃんと父親の役目を果たさないと…。
しっかり、僕の事守ってよ。


と、父鬼に向かって言い放った。


父鬼は、子供鬼ー…累に頸を抱えられたまま、
ああ…。と、一言返事をする。


すると、累は興味がなさそうに、
父鬼の頸を地面へと放った。


…次は、許さないから。
ちゃんと、父親をしてね…。


そう言い残し、
また音もなく山の中へと姿を消した。



父鬼は、頸を拾い上げると、
自身の身体と繋ぎ合わせた。



ー…


ちょうどその頃、

那田蜘蛛山への任務を命じられた、
おかしな3人組が山の麓へと姿を現していた。


赤みがかった黒髪で、
花札のような耳飾りをつけた少年、炭治郎。

外国人のような金髪で、
橙の派手な羽織りを身につけている少年、善逸。

上半身裸で、
猪の頭の皮を被った少年、伊之助。


以前、美玖と山中で遭遇した隊士達である。


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