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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第7章 焼芋





…私ってば、

姉弟子である甘露寺さんに


ヤキモチ…なのかな…?


そう自覚した途端、
自分が酷く小さく思えた。


…師範と同じように
いっぱい食べられて、

焼き芋を食べて笑い合って…

ただ、それだけの事なのに
こんなおかしな気持ちになるなんて…


慕っている相手と
共通点があるというだけで、

何か特別な事のように感じられて、
それを嬉しいと思う自分がいる。


でも、その相手が、
自分ではない誰かというだけで、

こんなにも…

まるで、沼の中に沈んでいるかのように、
息苦しく、もどかしい気持ちになるものなのか。



師範の事を
一人の男性として慕ってはいたけど、

それは一種の憧れに近いような
兄的存在を慕っているというような

そのくらいの、淡い気持ちであった筈なのに…


美玖は、
自身の杏寿郎に対する気持ちが、

隠しようもない程、
自身の中で膨らんでいた事に気が付いた。

…自覚した…と言った方がいいかもしれない。


ー…美玖ちゃん?美玖ちゃん?!


っ…は、はいっ…!!


どうしたの?
もう、みんな居間に行っちゃったわ!

…そんなにボーッとしちゃって、
何か悩みでもあるのかしら?

良かったら、お姉さんが聞いてあげるわ!


甘露寺さん…っ


私ってば、こんなに優しい甘露寺さんの事…
一瞬でも、疎ましく感じたなんて…


うぅぅ…甘露寺さんっ…
ごめんなさいぃ〜…!!


ええ!!なんで謝るのかしら!!
本当に、どうしちゃったの?


…実は…、


ー…



美玖は甘露寺に、
自身の杏寿郎に対する気持ちを

素直に打ち明けた…。

先程の、小さなヤキモチの話も…。



甘露寺は黙って聞きつつも、


美玖ちゃんってば、可愛いわ!
煉獄さんの事、本当に大好きなのね!
すごいわ!素敵だわ…!!


心の中で、大騒ぎしていた…。








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