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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第4章 山中






刀を構えて様子を見ていると、


後ろからイノシシ男が突進していく。



的がでかいと
切り裂き甲斐があるぜ!!



その瞬間、鬼の両腕が飛んでいく。



…!あのイノシシ、速い…!



アハハハハ!
屍を晒して俺の踏み台となれ!!



そのまま、
あっという間に鬼の頸を斬り落とした。



…すごい、まるで、
ケモノのような動き…。

いや、まあ見るからにケモノなんだけど。



イノシシ男は、こちらを向き直り、



どうだ!俺は強いだろう!
須らく平伏し、崇めたたえろ!



…やっぱり、変な奴…。


ふふっ
ねぇ、あなた何て名前なの?


俺は、嘴平伊之助!山の王だ!



ふふっ
私は桜井 美玖。
鬼殺隊士だよ!よろしくね!

伊之助、さっきはありがとう。
動きが速くてびっくりしたよ!



ふんっ!
うるせえ!
俺をあんまホワホワさせんじゃねぇ!



?…照れてるのかな…?




ー…


ー……



そのまま、私と伊之助は

鼓の音と共に外に放り出された。



…っ

スタッ


着地してすぐ、
私は炭治郎の木箱を探した。


木の影になる所に
先程のまま、置かれている。



…やっぱり、
中には小さな鬼が居るようだ。



…今、外に出せば、
日の光で死ぬ…


でも、炭治郎…

何か、事情があるのかもしれない…。


私がどうしようか悩んでいると、
伊之助が後ろから近付いてきた。



おい!その箱!
鬼が入ってやがんだろ!
俺に寄越せ!


…!
伊之助、ごめん、
これは…


なんだ、お前、
鬼を庇うのか?!


…そうじゃなくて…っ


伊之助は、
今にも斬りかかってきそうだ。


その時、


お前ー!
女の子に刀向けるなんて、
どういう神経してるんだよぉー!!


善逸も、家から弾き出されたようだ。
こちらへ向かってきてくれる。


そして、
木箱を抱える美玖を庇うように
後ろから包み込み、伊之助と距離を取る。


…っ!
善逸、完全に面白キャラなのに、
意外とちゃんと筋肉ついてるな…

って私のバカ!
そんな場合じゃないのに!




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