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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第4章 山中





そのまま、

私と善逸で木箱を抱えていると、


痺れを切らした伊之助は
こちらに攻撃を仕掛けてくる。


隊員同士で争う訳にもいかず、
抵抗する事ができない。


私の事は、善逸が庇ってくれてるけど、

善逸の顔は怪我が増えていく。


どうしよう…
炭治郎、早く戻ってこないかなあ…



その時、炭治郎が戻ってきた。


ボコボコにされた善逸を見て、


争ってはいけないと伊之助に説教をするも、
全く聞き入れる様子のない伊之助。


結局、炭治郎の豪快な頭突きで、
伊之助が倒れるまでバタバタとしてしまった。



善逸、美玖、
守っていてくれてありがとう。

これは、俺の命より大切なものなんだ。


…うん。
私より、善逸の方が…


ああ、でも、
善逸はなんか幸せそうにしてるから…



善逸は、怪我の痛みを感じないのか、

美玖ちゃんの事、
抱きしめちゃったもんねぇー
しかも、いっぱい…!!

ぶつぶつと言いながら
ヘラヘラした顔をしていた。


…頭でも、殴られたのかな…

本気で心配する美玖なのであった。



っと、もう日暮れね!
わたし、そろそろ帰らないと!


炭治郎達は怪我が酷いようで、
近くの藤の家紋の家に行くよう、
鴉から指示されていた。


…今日は、ありがとう。
また、いずれ会うだろうけど、
それまでお互い頑張ろうね!


ああ!美玖も、気を付けて!


美玖ちゃぁあん!
また、会おうね!絶対だよぉぉお!



炭治郎達と別れ、
蝶屋敷へと急いだ。



面白い子達だったな…。


思えば、
10才の頃から師範の元で修行していて、

歳の近い男の子とは、
接した事がほとんどなかった。


やっぱり、師範とは違って、
なんだか話しやすくて面白かったな。


師範とお話する時は…

なんだろう…


時々、すっごく、
胸がドキドキとして…


うまくお喋りできなかったり…する。



まだ一週間程しか経っていないのに、

不意に、寂しさが美玖を襲う。


…師範、会いたいなぁ…。



その後、日が沈む頃、
ようやく蝶屋敷へたどり着いた。






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