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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第4章 山中





普段優しい人って


怒ると怖いよね…。



首を振っていた善逸は、

炭治郎の般若のような顔を見て、


半ベソで付いてきた。



炭治郎は、出会った時から背負っていた、
木箱を先程の兄妹の側に置いた。


何かあっても二人を守ってくれる…と言い残して。



…でも、あの箱の中身…。
疑問に思ったけど、一旦置いておく。

炭治郎の木箱の中からは、
鬼のような気配がしていたけど…。




鬼の家へ入って少し行くと、

先程の兄妹が後ろから入ってきた。



炭治郎が置いていった箱から、
カリカリと音がして怖かったようだ。



炭治郎は、
命より大事なものなのに…と慌てた様子でいた。



その時、
家から奇怪な音が鳴り響き、

それと同時に鼓の音がした。



……!

鼓の音に合わせて、
私達はそれぞれ別の部屋に移動してしまった。


恐らく、これがここの鬼の血鬼術…。


この狭い家の中で、
鬼と遭遇したら…

瞬時に反応しなければ命に関わる。



…ちょうどよかったわ。

気合を入れ直し、
集中して呼吸を吸う。


全方位に意識を集中させて、
ゆっくりと家の中を進んでいく。



すると、近くから何かが走り回る音がする。



…っ!鬼…?!

走り回っていた者が目の前で立ち止まる。



……?!

イノシシ…男??


上半身裸で、
猪の頭の皮を被った男が居た…。



でも…

変な出立だけど、日輪刀を二本携えていた。



あなたも、鬼殺隊の隊士?


話しかけてみると、



突然高笑いし出した。



フハハハッ!
お前、強いな?
面白え、俺と勝負しろ!!


…?!


な、なんなのこの人!
やっぱり鬼なの??



た、隊士同士の争いはご法度…


フハハハ!
猪突猛進!猪突猛進!
いくぜっ!



…!きちゃった…!
ひとまず、逃げちゃえ…!



イノシシ男に背を向けて走る。


そのまま、廊下の角までくると、
前方から嫌な気配を感じとる。



…!鬼だっ…!

すかさず刀を構えて前方を斬りつける。



どしんどしんと、
でっぷりと太った大きな鬼が現れる。



ほう。随分と活きのいい人間だ。
しかも二人もいる。
こりゃえぐり甲斐がありそうだ。



そうこちらに言い放ち、
鬼が走り寄ってくる。






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