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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第4章 山中





……


…子供だ…。


振り返ると、そこには
小さな男の子と女の子が居た。

兄妹のようだ。


炭治郎が近くに行って話しかける。



こんな所で何してるんだ?



………


しかし、二人から返事はない。
相当怖い事があったのか、
怯えてる様子だった。


…大丈夫かしら…。


すると、炭治郎はその場にしゃがみ、
右掌を二人に向けた。


掌には、小さな雀がちょこんと乗っていた。



じゃじゃーん!
手乗り雀だ!!
可愛いだろう?


雀は、空気を読んでか、
チュンチュン鳴きながら跳ねている。



二人は緊張が解けたのか、
へたりとその場に座り込んだ。



何かあったのか?
そこは、二人の家?


炭治郎が尋ねると、兄の方が返事をした。



ちがう…、ちがう…、

ばっ…化け物の家だ……


兄ちゃんが連れてかれた
夜道を歩いてたら…

俺たちには目もくれないで
兄ちゃんだけ…



…あの家の中に入ったんだな?



うん…



話を聞き終えると、
炭治郎は優しい声で語りかける。



二人で後をつけたのか?
えらいぞ!頑張ったな…

大丈夫だ。
俺たちが悪い奴を倒して
兄ちゃんを助ける!



妹が、泣きながら、
ほんと?と呟いている。



…炭治郎は、とても優しい子だな。
声が、思いやりに溢れてる…。

兄弟とか、いるのかな?

なんか、お兄ちゃんって感じがする。



その時、善逸が口を開いた。



炭治郎、
なあ、この音なんなんだ?
気持ち悪い音…ずっと聞こえる…

…鼓か…?これ…



?音なんてしない。

炭治郎も聞こえていないようだ。


不思議に思い善逸を見ていると、

家の中から、だんだん音がしてきた。


一番近くでポンっという音がしたと思うと、
家の中から突然、血塗れの男性が降ってきた。



…!二階から…!

そのまま、男性は地面に叩きつけられる。


…っ
まさか、今のこの子達の…


炭治郎と共に、その男性に駆け寄った。


男性は、まだ意識はあったものの、
致命傷を負っており、すぐに力尽きた…。



…善逸!美玖!行こう!



炭治郎が声を上げる。



うん!私も行く!



…善逸はというと、
顔を青くして、首を振っていた。



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