• テキストサイズ

大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第4章 山中





ザッ…ザッ……


蝶屋敷を出て半刻程、


美玖は山の中に居た。



空は雲一つない青空だ。


結構、奥の方まできたな〜!

よしっ…
ここまでくれば、大丈夫かな…?



少し開けた場所で立ち止まり、

美玖は刀を構える。



…炎の呼吸 壱ノ型 不知火

…炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天


炎の呼吸の技を
順に繰り出していく。



ふぅっ…

良かった…ちゃんと技を出せて…



十二鬼月戦から回復して、
日々の鍛錬や稽古はしていたが、

自身の日輪刀で
技を出したのは久方ぶりの事だった。


以前のように刀を振るえるのか…

少し心配していたけど、杞憂だったようだ。



よしっ、
少しでも長く、
技を出せるよう特訓だ…!


今から一人稽古をしても、
まだ昼前だから…

夕方まで一寝入りすれば大丈夫の筈…!


しばし、一人で鍛錬を続けた。




ー…


それから、一刻近くが経った。


太陽は、天高く昇っている。


もう、昼時だな…。
よし、戻ろうっと…。



蝶屋敷へ戻る為、山を降りる事にした。



しかし、
今日はいい所を見つけた。


時間のある時は、
あそこでまた稽古しようかな…。



そんな事を思っていると、

少し降ったところでカナヲと会った。



…!カナヲ?!
どうしてこんな所に?


カナヲは、
にこっと笑うと、


たぶん、美玖と同じ。


と、手短に応えた。



カナヲもこの山で鍛錬してるの?



そう。ここは、少し空気も薄いし、
獣たちもあまり居ないから、ちょうどいいの。

って師範が言ってたから。



なるほど〜!
いい感じだと思ったけど、
意外な所でお墨付きを頂けた。



そうなんだ!
じゃ、私もなるべくここで鍛錬しよう。
教えてくれてありがとう!カナヲ!

カナヲはまだやってくの?



うん。私は、今来たところだから。



そっか!気を付けてね!



カナヲと別れて先へ行こうとする。

するとー…




/ 110ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp