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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第3章 蝶屋敷





ガヤガヤ…


賑わいを見せる街の中を

炎柱 煉獄杏寿郎 が歩いていた。


鬼殺隊の柱として
激務をこなす彼が、

昼間にこのような場所にいるのは、

至極、珍しい事だった。


目的の店に着いたのか。

杏寿郎が足を止める。



おおー。
地味に遅刻だぜ?


そこに、一人の男が声を掛ける。


同じく鬼殺隊の柱である、

音柱 宇随天元であった。



待たせてしまったか?
すまなかった!

ところで、
呼び出しとは珍しいな。
一体何の用だ?


ちょーっと話があってな。
まぁ、ここじゃナンだ。
中入ろうぜ。


……ここに、入るのか?


ああ!
そう、嫌そうな顔すんなって。
聞かれたくない話にはもってこいだ。


……うむ。


杏寿郎は
少し躊躇しながらも
宇随と共に店へと入っていった。



昼間なのに、
男達で賑わう街。

そう、ここは花街だ。



中に入り、部屋に通された。



それで、宇随!
わざわざこのような処に
呼び出す程の要件はなんだ?


ああ、それなんだけど、
煉獄、お前、
ちょっと過保護過ぎねえか?


過保護とは…?


決まってんだろ。
美玖の事だよ。


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