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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第1章 継子





ー…


日が、傾き始めた。


一刻ほど、経った頃だろうか。

…そろそろ、行かなくては。



美玖に視線を落とし、
最後に声を掛ける。


美玖!
今日も、君の声は聞けなかったが…

そろそろ日が落ちる。

夜になれば、鬼が現れる!

…俺は、向かわねばならない!

またすぐに会いに来る!
それまで、待っていてくれ!



そう声をかけ、
立ち上がった時だった。



カサッ…


何か、擦れるような音を立てる布団。


そして、



……し…はん…?



美玖の口が動いた。



…!!
美玖!!

そうだ!俺だ!
煉獄杏寿郎だ!!



しは…ん…

わたし、ちゃんと、
鬼を…斬れました…か…?

継子と…して…
役目を…果たせた…でしょう…か…?



堪らず、美玖に覆い被さり、
そっと頭に手を添える。



…っ
ああ!美玖は、
立派に、己が責務を全うした…!

鬼の頸を斬っていた!

俺が見たんだ!間違いない!
街の者は、皆、無事だった…!!



俺の言葉を聞き終えると、

美玖は目を細めて笑った。



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