第10章 お見舞い
善逸と伊之助が訓練に復帰してきた日、
この日は胡蝶さんが訓練場に現れた。
炭治郎君が会得したのは全集中常中という技です。
そう言うと、伊之助の方を向き口を開いた。
基本中の基本なんですけど、
できないなら仕方ないですね。
基本なんですけど〜
できて当然なんですけど〜?
伊之助はその言葉に激怒し、俄然やる気を出した。
そんな伊之助を放って、
胡蝶は善逸の方を振り返る。
善逸君、頑張ってください。
一番、応援していますよ〜。
善逸は胡蝶の一言でとても舞い上がり、
俺は一番応援された男!!と気合を入れた。
2人とも、嘘みたいに勢いよく常中を身につけた。
…胡蝶さんは、教える?のが上手いな…。
私も、もっと見習わないと…。
相手に合った指導ってやつを…。
さすが、胡蝶さんですね。
私も見習いたいです!
あら、美玖さんもよくやってくれましたよ。
色々とありがとうございます。
いえ、私こそお世話になってしまって…!
胡蝶と美玖の会話を聞いていた善逸が、
ふと疑問に思い声をかけた。
お二人は、柱と継子なんですよね?
なんで胡蝶さんって呼ぶんですか?
善逸の言葉に、炭治郎も確かに!と頷いた。
胡蝶はそんな二人に笑いかける。
ふふっ確かに、
美玖さんも私の継子にしたいくらいですが…
そんな事したら炎柱様に怒られますから、ね。
…炎柱って…!
あの、会議に居た…!
炭治郎は一度柱合会議で会ったことがあるからピンときたようだが、善逸はきょとんとしている。
えっ!こんな可愛い美玖ちゃんが
炎の呼吸なんて使うの?ホント?それ?
しかも師範って男なの?何それ?ズルくない?
善逸、失礼だぞ。
ふふっ。昔、鬼に襲われた時に師範のお父様に助けられて、そのまま煉獄家に引き取られたの。…家族が居なくなっちゃったから…。
…っ。そうだったのか…。
うん。でも、寂しくはないよ!
師範達は本当の家族みたいに接してくれたから…
だから、私は大丈夫!!
それに、煉獄家で代々継承してきた炎の呼吸も教わる事ができて、鬼から人を助ける仕事ができて、すごく充実してるもの。