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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第10章 お見舞い





蝶屋敷に滞在してから、美玖は任務のない日は以前のようにアオイについて料理を教わっていた。

米も炊けるようになったし、
汁物くらいならなんとか作れるようにまでなっていた。



アオイ様、私、そろそろ…


そうね。そろそろいいと思うわ!


今日は炭治郎達の為に、
おかずに挑戦してみることにしたのだ。
初めてなので焼き魚から始めることにした。


美玖、ただ焼くだけと思うかもしれないけど、
焼き加減が意外と難しいの。
焦がさないように、気をつけて見てて!


はい!師匠!


アオイに言われた通り、
魚とじーっと睨めっこしている美玖の姿に、
アオイは思わず笑ってしまった。

一生懸命だなあ。


ふと、アオイが美玖に問いかけた。


美玖は、なんで料理の練習を?


えっ…槇寿郎さんから、
嫁のもらい手が居なくなるって脅されて…
確かにその通りだなあって…。


そう?炎柱様が貰って下さるんじゃない?


アオイの思いがけない一言に、
美玖は顔を赤くして否定した。


っ!アオイ!そんな事ない…よ。
師範には私なんて妹…みたいなものだろうし…。


そう?そうは思わなかったけど…。
でも、美玖は炎柱様がいいんでしょ?


…うん…。


ふふっ!じゃあ、頑張らないとね!
あっ、ほら、お魚…!


あわわわ、あ、焦げそう…!!
どうしよう、アオイ〜〜!!


アオイと話していて魚から目を離していた。

ギリギリセーフだろうか、
焦げかけの焼き魚が完成した。


ー…


少し硬くなってしまった魚を三人に出したら、
伊之助にはボロクソに言われてしまった。


炭治郎と善逸は食べてくれたけど、
次は失敗しないようにしなくちゃな…。


ご飯は失敗してしまったが、
明日の稽古は精一杯努めよう…と、
頭を切り替えて眠りにつく事にした。





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