• テキストサイズ

大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第10章 お見舞い





ー…そうだったんですか。


はい…。黙っていて、すいません。


事情を説明して、
美玖は胡蝶に謝罪した。

蝶屋敷にいる時の出来事であったのに、
話さなかった事を気にしていたのだ。

胡蝶はにこりと笑うと、


いいんですよ。気にしないでください。
ただ、今度何かあったら教えてくださいね。
何か、力になる事ができるかもしれませんから。


…っはいっ…ありがとうございますっ!


ふふっ
そしたら、美玖さんはしばらく
こちらに居るという事ですよね?
以前使っていた部屋を使ってくれて構いませんよ。

竈門くん達の機能回復訓練が始まったら、
ぜひ彼らに稽古をつけてあげてくださいね。


わかりました!
ありがとうございますっ!


胡蝶の了解も得たところで、
しばらく蝶屋敷に留まる旨を手紙にしたため、
千寿郎に向けて鴉を飛ばした。


杏寿郎にも知らせようか迷ったが、
任務中に要らぬ心配を掛けたくなかったのでやめておいた。

杏寿郎は、今頃列車に乗っているのだろうか?


師範…どうか、ご無事で…。


美玖は部屋で1人、
杏寿郎の身を案じていた。



ー…


それから数日間、
まだ三人は安静が必要だったのでカナヲと山で鍛錬をしたり、鴉からの指示で任務に出たりしながら過ごしていた。

千寿郎くんと手紙をやり取りしているけど、
師範はまだ任務に出たままだそうだ。


何日も家に戻れないだなんて、
一体どんな任務なんだろう…?

列車と行っていたけど、何台もある。
まだ鬼を探している最中なんだろうか…。


杏寿郎の身を案じずにはいられない。
先日、任務の話を聞いた時に感じた、そこ知れぬ不安が今も美玖の中から消えてくれないでいた。


部屋で一人考えていると、外からアオイに声をかけられた。


美玖?いるよね?

明日から、あの人達の訓練が始まるわ。
最初はお相手してもらってもいい?


!もう、訓練に入れるの?
良かった…。わかった、明日は手加減しないわ!


そう答えて美玖は廊下は出た。


アオイ、そしたらお夕飯の準備手伝うね!
明日は疲れるだろうから、元気の出そうなものを用意してあげないと…!



/ 110ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp