誇り高き魂【JOJO3部】【空条承太郎】【花京院典明】
第2章 誇り高き魂
そして何故かブス、ペチャパイコールになっている。
好きな人の前ではそんなこと口にしないだろうに、そんなものなのかな?
私の恋愛の情報源は恋愛小説しかないのでよくわからないが。
「やかましいッ うっとーしいぞォ!」
ほら、いわんこっちゃない。それでも彼女らは喜んでいるが。
毎朝この登校時間は少し憂鬱だ。確かにやかましいので、私にはあまり害はないはずだが私も参っている。早めに登校するなんてシーザーちゃん公認の寝坊助な私には無理だ。シーザーちゃん毎朝ありがとう。
ほうけて考え事をしていたら後ろから
「なにィ!?」と叫び声が聞こえた。
驚いて反射的に石段の方を見ると先程の彼が足を負傷している。
血の吹き出し方を見る限り切られたような傷かな?
というか怪我人とか事故の前にこんな冷静な自分に驚く。
彼は足の怪我のせいか、階段を踏み外し。
わ、私の背後にいる"何か"でどうにか出来ないものか……。
「ム 木の枝」
そう言った彼は紫色の三本目の手を出し……
3本目ッ!?紫ィッ!?
危なげなくはないが無事に着地した模様だ。
母には危険には関わるな、見て見ぬふりをしろと言い聞かせられているが……
痛々しい彼の足を見て、私は無意識にも幼少期からの忌々しい能力を使ってしまっていた。
--------------------
-------------
-----
承太郎side
しかし……
……一体なぜ?
ふと考え事をしていると、ヒザにぬるま湯をかけられたような感覚がする。いや、正確にはぬるま湯に漬けているような感覚だ。
なんだ?この"シャボン玉"は……。
こいつのせいで足を切った……わけでは無いな。
このシャボン玉のお陰か出血が止まっている。
既に吹き出した血はまだ足に着いている、まずは向かうべきは保健室か……。
話しかけてくるのを無視し、考え事をしていたら階段から男が降りてくるのを見つけた。男はハンカチを取りだしこちらに差し出す。
「君 左足を切ったようだが……」
…………
「そのハンカチで応急手当をするといい……」
ハンカチを受け取る。
「……大丈夫かい?」
「………… ああ…かすり傷だ」
無事を確認した男はクルーッなんて効果音の着きそうな綺麗なターンをして歩き始める。
「待て」