誇り高き魂【JOJO3部】【空条承太郎】【花京院典明】
第6章 銀の戦車戦
少し気まずいなと…なぜだか感じているとフイッと目を逸らされてしまった。
少し、バツの悪そうな承太郎が気になって仕方ない。
しかしそうも言ってられない、これからアブドゥルと男の真剣勝負が始まるのだから。
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美紀子side
「ホラァ!!どうした!?得意の炎を思う存分吐かないのか?吐かないのならこっちから行くぞ!!」
『…!!』
男の声にハッとし、アブドゥルさんとの戦闘が開始していたことに気がついた。
いけない、また、考え込んで周りに意識が向いていなかった。
押されているがマジシャンズレッドも負けじと反撃に炎を繰り出す。
しかし、つき技をしていたチャリオッツはそれを難なく跳ね返した。
「うおっ!?」
そして何かしらのモニュメントに当たる。
「野郎ッ…コケにしている!!突きながらマジシャンズレッドにそっくりな像を掘ってやがったッ!!」
そう、それは立派な彫刻のようだった。私は彼の戦闘にずっと"魅せられて"いる。
そんな私を見ている2人がいるとも…知らずに。
私にはなかった考え方だったから。
全力を出し、また同じく全力を出す相手と戦う。
その、私の尊敬の念に近しいものを抱いている男は首を傾げ「なかなか…。フハハハ!この庭園にマッチしとるぞ?マジシャンズレッド」とアブドゥルさんを煽るとまでは行かないが、熱くなってしまうのを誘っている、挑発もできるらしい。
アブドゥルさんは静かに、でも熱くなっていた。
「むっ?来るな、本気で能力を出すか…。受けてたってやる!」
「おいっ!なにかに隠れろ!アブドゥルのあれが出るっ!」
「あれだと?」
アブドゥルさんのスタンドは高火力。
その高火力を前面に押し出した技だろうか?
ならばそう思案してる場合ではない、逃げなければ!と考えて行動に移しているととあることに気づく。
典明くんがずっと、公園に移動する時から今に至るまでそばに居てくれていた。なんなら今も。
視線をちらっと送るとフッと微笑んで"どういたしまして"とでも言われているみたいだった。私がありがとうと言った訳ではないのに何故か彼がそう受けとってくれて、私の意思をくみ取ってくれてそう返事してくれたように感じた。