誇り高き魂【JOJO3部】【空条承太郎】【花京院典明】
第6章 銀の戦車戦
「私のスタンド、チャリオッツのカードを持つ暗示は侵略と勝利!こんな狭っ苦しいところで始末してやってもいいが…アブドゥル!!お前の炎の能力は広い場所の方が真価を発揮するだろう?そこを叩きのめすのが私のスタンドにふさわしい勝利!!
全員表に出ろッ!!」
高圧的に感じるかもしれないが、彼には何かを感じる。
全力を尽くすアブドゥルを倒したい、そうでないと真に勝利とは言えない、といった真意を感じとってしまう、彼に。
彼になにか高潔さを見てしまった…。
また、いけない癖なのだが…私は黙り、考え込んでしまった…。
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典明side
「な、なんじゃあここはァ!?」
「フハハッハッハッ!」
「タイガーバームガーデンですよ」
「ほう?」
《タイガーバームガーデン。香港島の大坑道(タイハンロード)山腹斜面に実在する庭園である。そのセンスと世界観は香港奇妙ゾーンNO.1である。》
ここで、タイガーバームガーデンについて説明したくなったが…先程の美紀子さんの"やっぱり……友達いなかったんだね……"という言葉が頭をこだましていた。
なぜ、何故なんだ。
ちらりと気付かれないように彼女に一瞬視線を配ると、またしても何か深く考え込む彼女がいた。きっとこれは彼女の"癖"なんだ。
先程、声をかけても直ぐには反応してくれなかった事だし、少し傍に控えて危険が及べば守ればいいだろう。そう、やましい事は考えていない。彼女の傍に寄れる理由ができたとか、考えてはいない。僕が彼女に感じる何か、を解明したい。ただその一心だ。
階段を登りきり、立ち止まり、男が言い放つ。
「ここで予言をしてやる。まずアブドゥル、貴様は。貴様自身のスタンドの能力で滅びるだろう」
「…アブドゥル」
「承太郎、手を出さなくていいぞ。これだけ広い場所なら、思う存分スタンドを操れるというもの!」
マジシャンズレッドが現れ、雄叫びをあげる。
いよいよ、本格的に開戦といった所か…。
こちらに飛び火でもしようものな美紀子さんを全力で守ろう、そのためにそばにいるのだから。
ふと視線を感じて其方に少し注意をかたむけてみると、承太郎と目が合った。