誇り高き魂【JOJO3部】【空条承太郎】【花京院典明】
第5章 Interlude
美紀子side
『必要以上に相手を傷つけ……あまつさえ寿命を奪っていくスタンドが……憎かったんです……。』
そう……2度と、命を刈り取るなんてしたくない……。
私が、私でなくなる気がするから……。
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順風満帆だった。
スタンドが怖くて、いじめられてて、家族を素直に好きと言えない以外は。
小等部に上がって出来た親友……悠ちゃんは物静かで優しくて、大好きだった。
私が祖父以外に、かっこいいと感じた人だった……。
ありがちな、いつも通りのいじめっ子に女子トイレに連行され、それはまあ色々とされるのだが……その時に「化け物!気持ち悪いんだよ!自分の見た目がどんだけおぞましくて醜いのかわかってないのっ!?きもっちわるい髪と目ん玉してて恥ずかしくないの?」
あんなにかっこよくて優しくて気高きヒーローのシーザーちゃんまで貶された気がして、悔しくて唇を噛んでいた。
血の味がしたから切っていたのかもしれない……。
目の前が急に暗転した……。
いや、暗めの色の服を着た子に前に立たれた……?
自分と余り変わらないはずなのに、大きく見える気がする背中に……庇われていた……。
その子は言った……言ってくれた「この子の輝く金髪も綺麗な瞳も……全く醜くなんてないッ!」と……。
視界がぐちゃぐちゃだ……、今は誰にも見せられない顔をしている……と思う。
いつの間にかいじめっ子がどっかに行っていて、クリっとした目の男の子はまさしく、私の目にはヒーローに見えた。こんな漫画小説にありがちな出会いだった。お互いの家族も認知済みの、なんとなく幼なじみのようなそんな関係だった。
だが、事実は小説よりも奇なり。
彼ともしばらく交流はない。
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『憎かった……だからか、怪我をしている人を見掛けると、無意識にシャボン玉を使ってしまうようになりました。小学生になって物事との判別がついてきた頃には意図的にできるようになりましたが。私は、人を傷つけることが、私を傷付けるから、嫌いです。全ては私が弱いから……です』
悠ちゃんとの話は他人にはできない。すみません、話せなくて。
『それと、両親は去年他界しました』
