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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第25章 時間を超えて。











睦の様子が、間違いなくおかしい。
いつもの落ち着きはまったく無く、
子どものようなはしゃぎっぷり。
加えて、何を言っているのかよくわからない。

いつも支離滅裂だが、
それとはまた違った様子だ。

聞いた事のない言葉も出て来たな…
帰りたい、と言った時。
何て言ったんだっけ…?
よくわからねぇが、
とりあえずあいつは
睦の顔をした別人のようだ。
でも名を呼べば返事をするし、
…一緒に寝てたし。

そうだ。
昨夜、眠るまではいつもの睦だった。
なのに、
朝になり目覚めた時には
もう人が変わっていた。

その勢いに負け、
俺は自室に戻ったワケだが…。
もうちょっと話を聞き出さねぇと
なんとも言えねぇなぁ。

……



何故か強い要望を受け
着替えを済ませた俺が睦の部屋に戻ると
障子を開け放ち
庭を眺めている睦の姿。
……

「こら睦、何でそのままなんだ」

俺には着替えろと言っておきながら
自分は夜着のまま。
どういう事よ。

「庭がひろーいね、冬なのに花だらけ!」

ただ、…素直で可愛いのは可愛いな。

「お前が花がねぇと淋しいっていうから…」

いやいや、そうじゃなくて…。

「こら睦、着替えー」

襖を閉め睦の元へ行く。
いつまでもこんなカッコでいるのは
やっぱりおかしいな…?
いつもなら何も言われなくても
ぱぱっと身なりを整える
しっかり者なのに。

視界を塞ぐように
障子を閉めてしまうと
くるっとこちらを向いて、

「あッ!」

ハッと目を見開いた。

「すごい!天元かっこいいねぇ!」

俺の両腕を掴み、
姿をまじまじと見つめて睦が
嬉しそうに言った。

一瞬、何の事を言われたのか
まったくわからなかった。

「着物、やっぱすっごく似合ってる!素敵素敵!」

そんな俺を置いてけぼりにして
睦はきらっきらの笑顔で
俺をあちこちの方向から眺め出した。

おぅおぅ…

「何だ何だ。どうした。
別にいつもと変わらねぇだろう」

「ううん、かっこいい。
思った通りだよ!」


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