第25章 時間を超えて。
自分の腕を抱きしめている両手を
それぞれ掴み、
ぱっと開いてやると
現れる、大きな2つの膨らみ。
「あー!何する、のッ」
その頂きに、ちゅっとご挨拶。
「や…!」
ぴくりと身体を跳ねさせた拍子に
腰まで引いてしまう睦。
「手はここ、」
掴んだ両手を
自分の首に巻きつけさせた後、
空いた両手で睦の腰を抱き寄せた。
「何で逃げんのよ」
「ベッド…」
「まだ言ってんのか…」
ボアの短パンから覗く脚を撫で下ろし
ぱくっと耳を咥えてやる。
「寝ちゃう、んだって…!」
口ではそう言いながら、
俺の首に強く腕を絡めて行った。
…やめる気ゼロじゃん。
「ベッドなんて、すぐそこ、でしょ…!」
「すぐそこまでも待てねぇの…
わかってるくせに、そんなに言わせてぇか」
少し睨んでやると、
え?と目を見張り
次の瞬間、にっこりと微笑んだ。
捲っただけ、と言っていた俺のスウェット。
さっき俺がしたように
睦によって抜き去られた…
「脱がすんかい」
「脱がす。だってもう、ここでするんでしょ?」
ベッドを諦めたと、
そういうことね。
「そ。可愛い睦を待てねぇよ」
首の付け根にそっと歯を立てる。
睦は俺の頬に唇を這わせ
「ん…私も」
鼻にかかった甘い声を出した。
「ベッドでするより、善くしてやるよ」
白い肌に囁きをうずめると
「天元とならどこでもイイ…」
睦は簡単に俺を煽った。
…寒い。
隙間風かな。
スーっと私の身体を撫でるのは。
だからベッドがいいって言ったのに。
確かに私も、流されたけど…。
そして彼の言う通り、
ベッドでするより全然よかったけど。
…
違う違う。
天元とだったら、場所がどこでだってイイのよ。
……
いやいや、そんな事よりも。
寒いのよ、私…
まだ眠たいのに…
そして怠い…
相変わらずものすごい体力で
私の事を愛し続けた天元…
幸せだけど、身体が持たない…
目も開かない私は、
手探りで隣の人物の存在を確かめる。
あぁ天元…
寒いから、…
その逞しい腕に抱きついて暖を取る。
だってこの腕、
めちゃくちゃあったかいんだ…