第24章 スルタンコラボ続き 〜睡蓮の恋〜
「なぁ、」
私の緩んだほっぺたに
自分のそれを擦り寄せて
「あいつはお前の言う事なら素直に聞くなぁ」
天元は多少不満そう。
…こっちもか。
「…悔しいですか、お兄ちゃんとしては」
「お前なぁ…アシルと一緒にすんなよ」
「一緒だよ。どれだけ仲良しなのよ」
「気持ち悪ィこと言うな」
「可愛くてしょうがないくせに。
羨ましいくらいだわ」
新しいパンをもうひと口食べる。
これは、食べすぎちゃうな…
「よく食うな」
「また太るとか言うわけ?」
じろりと睨むと
「言わねぇよ」
ぷっと笑う。
笑い事じゃないけど。
「お前がなんか食ってるとこ見てんの
嫌いじゃねぇよ?
幸せそうにするからな」
「…どうだか」
「でも、今ちょっとやめれば?」
「やめる?…なんで」
おいしいのに…。
パンは焼きたてに限るのに。
疑問たっぷりに見上げると
私を抱き抱え直して
「キスしたい」
なんて、平気で言う…。
「…ぇ、なんで…?」
動揺のあまり、何でかなんて
どうしようもない事を訊いてしまった。
「…したいから」
「そ、そうでしょうけど…」
「お前まさか、俺が平気でいるとか思ってねぇ?
自分がアシルに何されたかわかってんの?」
「なん、でしょうか…あ、好きって言われた?」
平気っていうか…
だって普通にしてるじゃん。
まるでいつも通りに見えるけど。
「それだけじゃねぇだろ。手に?」
「手…?あ、キスされた?」
「首にも?」
「あ…された、ね…」
すっかり忘れてしまっていた。
だって、私にとってはどうって事ない。
ただのアシルの演技だったんだから。
でも天元は、そうは行かなかったようで…
「お口、カラッポですかー?
俺もう待てませーん」
言いながら私に覆い被さる。
上体を後ろに倒されて
私は慌てて彼にしがみついた。
「わぁ…っ!落ちる…」
「落とすわけねぇし…」
伏せた目を開き、
強く私を見つめながら何かを考えて…
「…じゃあ、」
横抱き状態だった私の片足を通して
向かい合わせで座らせた。
「コレなら落ちねぇだろ」
ちゅっと軽く唇を合わせる。
えぇ……