第24章 スルタンコラボ続き 〜睡蓮の恋〜
泣くほどの何があったのかは
話したくねぇんだろう。
何でも聞いてやるのになぁ…
いやむしろ、
何でも話してもらいてぇ。
こいつ1人受け止めるくらいどうって事はない。
むしろ生きがいを感じるほどなんだが。
それにしても止まらない涙。
必死に堪えるのは感じるが
うまくいかない様子…
「泣かないのー」
胸元にいる睦の両腕を掴み
ぐいっと引き上げる。
顔の位置をぴたりと合わせ、
涙の跡を拭ってやった。
それでも後を絶たない睦の涙。
困惑…悲しみ、後悔、不安…
いろんな感情が見て取れる…
「どうした睦…
俺といる時は笑ってろよ」
俺が悪い事をしたような気になってくる。
拭っても拭い切れない涙は
よからぬ想いを匂わせて
まるで絶望の淵に突き落とされるようだ。
「…泣いたりして、ごめんなさい…」
震える声で謝罪する。
「いいよ、泣きたいだけ泣けば。
その代わり、泣き止んだら元気出せよ…?」
ぎゅっと、首元に頭を抱えてやると
声を堪えるように咽び泣く。
しばらくして、
少しだけ落ち着いた睦は
泣き腫らした目をこちらに向けて
じっと俺の目を見つめた。
「……なんだ?」
何か言いたそうにしているくせに
なかなか話し出さない睦に焦れて
俺の方から声をかけた。
すると
「…私は、どうしたらいい…?」
意を決したように、
…でもひどく不安に揺れながらひと言を発した。
だが、訊かれた意味がわからない。
……
見つめ合ったまま、無言で首をひねると
「私は、これからどうしたらいいか教えて」
少しだけわかりやすく言い直した。
…だがまだよくわからない。
「…好きに、してていいぞ?」
そんな答えを求めていたのかはわからないが
あまりにも何かに怯えた目をしていたので
思った事を答えてみる。
でも睦は、
首を小さく横に振り、
「私…どう、したらいい…?天元が、決めて…」
そうしてまた泣き出した。
「おい睦…?どうした、何を言ってる?」
睦のこの先の行動を俺に決めろ、
と、いう事か?
「もう、天元の言う通りにする…」
嗚咽を洩らしながら
睦が睦らしくない事を言う。