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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第24章 スルタンコラボ続き 〜睡蓮の恋〜










「え?行かない?」

睦とアシルの元へ行った翌日の夜。
俺は睦の部屋を訪れていた。

広いソファにほぼ寝転んで
その上に睦を乗せ
ツヤやかで豊かな髪を
何度もさらさらと落とし弄んでいる。

仰向けの俺の腹に自分の腹を合わせ
うつ伏せで横たわる睦は
俺の胸に頬を預け目を閉じていた。

「おい、聞いてるか?
どうしたんだ急に…」

「聞いてるよ?どうした、って…別に…」

俺の質問にゆるりと答える。

「別にって事ねぇだろ。
あんなに行きたがってたのに、
なんでいきなり『行かない』になるんだよ?」

すべての仕事を終え、
無性に睦の顔が見たくなった俺は
その足でここへ来た。
俺の顔を見た途端、ホッとしたような…
何なら泣いてしまいそうな顔をして
…それでも満面の笑みを作り俺の来訪を
歓迎してくれた。

終始にこにこだった睦の表情が
急に仮面のようになったのは、
明日、少し時間が作れそうなので
アシルの所まで付き合ってやるぞと
俺が言った瞬間だった。

「うん…。だって天元がいてくれたら
もう大丈夫かなって思ったから…」

「仲良くなりてぇんだろ?」

「っ!…なか、よく、…しなくてもいいよ。
もう大丈夫だってわかったから」

……なんかおかしい。
いや、絶対ぇ変だ。

何かあったな…。

「…行かねぇってんならいい。
俺もその方がいいと思うからな」

髪で遊んでいた手をぽんと頭に乗せると
明らかにホッとした様子で

「うん…」

小さく微笑んだ。

それにしても俺の目を見ねぇ。
今もバルコニーの方向を向いたまま。

やましい事でもあるのかよ。

「睦」

名を呼ぶと、ほんの少しだけ身体を震わせて

「…なぁに?」

ぼんやりと答えた。
んー?疲れてんのか?

「…愛してるぞ」

睦の背中を両手で抱きしめると
今日初、睦はやっと、俺と目を合わせた。
睦の瞳から、
憂いが消えていくのがわかる。

今度は何を抱えてんだ…?
全て俺に曝せばいいものを。

「私も。だいすき」

そう言って涙をひと粒落とした。

「…隠し事ならもうちょい上手くやれよ」

俺はもう、笑うしかない。

「しょうがねぇなぁ…」


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