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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第24章 スルタンコラボ続き 〜睡蓮の恋〜





「叱ってもらえるのは私のため。
怒られるのも、まだ私に気持ちがある証拠。
でも、放っておかれるって
私が無いのと同じなんです。
ここにいるのに、無い事にされるなんて
私はもの凄く怖いです」

そんな事を、笑って話すジャナがつらい。

酷い目に遭ったのかな…

「今は大丈夫ですよ!
ここにはちゃんとした人しかいませんから」

ここには、という言葉がやけに耳についた。

私はなんとなく…。
立ち上がってジャナを抱きしめた。

「睦様…⁉︎」

大慌てで両手を振り回すジャナ。

「あの…!こんな、…」

「ジャナ、」

「え…?なんですか?」

私に呼ばれて
多少落ち着いたジャナは
私の背中に指先を置いて訊き返した。

「ずっと私のそばにいてね…」

「…」

「ここに来た時から、
ジャナは私の心の支えだったよ」

大切な友人だと思っている。
ちゃんと伝えたいんだ。

「私は、ジャナが大好きだからね」

そう言ってジャナの首に抱きつくと
ジャナも私の背中に抱きついて

「睦様…もったいないです」

声を震わせた。

「違うわ、私がジャナがいなきゃダメなの」

おかしいな。
怖いものの話をしていたはずなのに。
愛しさを確認する事になってしまった。

「ありがとうございます。
睦様がここに来て下さって
本当によかった…」

「私こそ、
ジャナがここにいてくれてよかった…」

そうやって女2人、
抱き合ったままいつまでも
互いを同定し合って…

そのうち可笑しくなってきて
涙が出るほど笑ったのだった。




その夜。

私はバルコニーに出て月を眺めていた。
高く昇った銀の月は
空を広く照らし出してとっても綺麗。

大切な人と心を通わせて満たされていた私は、
気持ちが昂っていて
部屋の中になんか収まっていられなかった。

…相手はジャナで、…
もともと好きだったけれど
こんなに仲良くしてもらえるとは
思ってもいなかった。
嬉しいな…

こんな日に限って、
愛しい天元は不在。
話を、聞いてもらいたかったなぁ…

仕方なくバルコニーの手すりに頬杖をついて
月を眺めた。
雲もなく、星も影を潜め、
月から伸びる青い夜はなんて美しい…


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