第24章 スルタンコラボ続き 〜睡蓮の恋〜
「……」
えぇと…。
心が繋がってる?だっけ…?
彼の目を見つめていると、
向こうも真剣に見つめ返して来て
その目が不思議そうに見開かれ……
「…お前……太った?」
……と。
ふつふつと湧き上がる
怒りにも似た感情を抑えきれず…。
天元は私が振り上げた拳をぱしっと掴み、
「お前…!」
眉間にシワをよせるが、
「天元様、
女性への口の利き方も忘れたんですか⁉︎
今のは最低です。殴られるべきです」
アーディルさんにそう言われて
今度は目を剥いた。
「何でだよ⁉︎こないだの件で激ヤセしたのが
戻ってきて良かったなってイミだ!」
「言い方!ご覧なさい、
睦様には全っ然伝わっていませんから。
ごめんなさいね、睦様。
教育が行き届いていなくって…。
私のせいです、代わってお詫び申し上げます」
アーディルさんは深々と頭を下げる。
私は慌てて彼を止めようと声を上げた、のに…
「や″め″てぐださい″」
……
「睦様っ!お声を出してはいけません」
ぴょこっと飛び上がる勢いのアーディルさんに
逆に止められてしまった…。
ほんと、ひどい声だ…
そんなに……
あぁあ、そんなに?
今になって急激に恥ずかしくなって
口を両手で押さえた。
「いいんですよ、大丈夫ですから」
この上なく優しい声で言った後、
天元をキッと睨み、
「天元様の教育係は私だったんです。
こんな子に育てた覚えはないんですが…」
にこっと私に目を戻す。
「さ、睦様はお体を清めておいでなさい。
その間に、天元様には
目いっぱいお灸をすえておきますからね」
「おいアーディル、何のつもり…」
「おだまりなさい!」
アーディルさんはぴしゃりと言って
「立てますか睦様?」
そっと私の手を取ってくれた。
ゆっくりとベッドを降りた私を見下ろして
「あの紅茶は
後でジャナに届けさせますからね。
お湯に浸かりながら飲めるように」
にっこりと微笑んだ。
「え″…っ」
ジャナ?
その名を聞いて私は
慌ててかぶりを振った。
なんともタイミングのいい事に
アーディルさんが来てくれて
ジャナと顔を合わせずにすんだというのに…。