第24章 スルタンコラボ続き 〜睡蓮の恋〜
でもアーディルさんは
なんとも思っていないらしく、
「加減てものを知るべきですよ天元様は。
女性の扱い方をご存じないんですか?」
なんて、天元相手にお説教を始めた。
コポコポと心地いい音と共に
紅茶の良い香りが私の鼻腔をくすぐる。
さすが、手際がいいな…
「うるせぇわ。どうにもならねぇほど
誰かを愛した事があんのかお前は」
「無いとお思いですか?」
「あんの…⁉︎」
天元は身を乗り出した。
…そろそろ離してくれないかな。
自分から抱きついといてアレだけど…。
「あなたよりも歳が多いんですよ?
失礼な方ですね」
「失礼かな…。どこの誰よ」
「私の事はいいんですよ。
それだけ愛していらっしゃるからこそ
大切に扱うんでしょ?でなきゃ
女性に逃げられちゃいますよ」
なんだろう。
私は聞いたらいけない話のような気がする。
男の人の裏話みたいで…。
「…俺から?この俺から逃げられると」
「……そういう所ですね」
呆れたようにアーディルさんはため息をつく。
「いや?ちゃんと愛してるからって意味だ。
心で繋がってる自信が俺にはあるが…
違うか?」
天元は私を覗き込んだ。
え…?私?
つい見上げて、きれいな目を見つめてしまう。
まさか話の矛先が
自分に向くとは思っていなかった私は
何の話だったのか手繰り寄せてみる…