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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第24章 スルタンコラボ続き 〜睡蓮の恋〜





私に取られたと、
勘違いしていないといい。

だって天元は、今でもアシルを
本当に大切に思っているのだから。

「睦は何で、
そこまでしてここに来るんだ。
叱られたくはないだろ?」

心底不思議そうに、アシルは訊くけれど、
そんなのわかりきったこと。

「アシルと仲良くなりたいからよ?
大切な人の弟だから、ちゃんとわかり合いたい。
でもそうするには、直接会わないと無理でしょ?
叱られるのは嫌だし、
天元に嫌な思いはさせたくないけど…
でも、アシルの事を知るには
こうするしかないんだもん」

「睦様は真面目だし可愛らしいし
素晴らしい女性でいらっしゃいます。
天元様の了見が狭いんですよ」

アーディルさんは呆れたように言うけれど…。

「だけど…あれでも
私の心配をしてくれてるんですよ?
なんだかやけに敏感になっちゃって…
だから自分がいない時に
私を外に出したくないんです、きっと」

「ごめん…俺のせいだよな」

アシルが急に沈んだ声を出す。
あ、しまった、と
私が思った時……。

「もー、アシル様は暗すぎますよー?」

「えぇッ⁉︎アーディルさん!」

そんな事を本人に言っちゃうの⁉︎

心から驚く私に、

「いいんですよ、
この方にははっきり言わないと
わからないんですから」

アーディルさんは手をヒラヒラさせた。

「周りが自分の事を考えてくれている時、
当のあなたが暗くなったら、
周りはどうしたらいいかわからなくなりますよ。
誰もあなたのこと責めてなんかいないでしょ?
ありがとーっ!って笑っていればいいんです」

アシルに向かって話すアーディルさんは
とっても優しくて愛しげな瞳を
惜しげなく向けていて…。

「そうか…。ありがとう睦。
アーディルも」

そんな愛情を受けて、
アシルは素直に笑顔を作った。

アーディルさんはすごいな。

「…天元にも、かけて下さいよ、その魔法」

「…はい?」

おかしな事をつい口走った私に、
アーディルさんは目を丸くして振り返る。

「魔法…?」

「言葉の魔法…。
アーディルさんの言葉はみんなの心に響きます」

しかも、嫌味のない人柄が空気を一掃する。
不思議な魅力の持ち主だ。


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