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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第24章 スルタンコラボ続き 〜睡蓮の恋〜




私はそれを見上げて

「うん…行くわ」

にっこりと笑ってみせる。
ジャナは珍しく、小さなため息をついて

「ほぼ毎日行かれてますよね?
王子様はご存知なんですか?」

「もちろん」

知らせていない。
でも

「今日は一緒に行く予定よ?」

「そうなんですか⁉︎」

「えぇ。お昼の休憩の時間にね」

その時の事を考えた私は
楽しみになってきて、笑顔が止まらない。
そんな私を見たジャナは

「随分と楽しそうですね…。
どっちが楽しみなんですか?」

……

「どっち…?って?」

ジャナのジトっとした目を見て
あまりいい事じゃないんだろうなぁと思った。
でも何の事かまではわからなくて…。

「王子様とのお出かけ?それとも……」

「パンケーキだわ、きっと」

「……そういう事にしておきます」

ふう、と更にため息をつき
ジャナは私にミルクティーを注いでくれた。

「どうしてため息をつくのよ」

「睦さま、もしかして
八方美人でいらっしゃいます?」

「……なんて失礼なのかしら私の侍女は」

私は美しい装飾のカップを、
そうっとソーサーに戻す。

「申し訳ございません!」

慌てて恭しく謝罪を述べた。

…そんなに本気じゃないんだけど。

申し訳ないくらい真剣に謝るジャナは
私の座る椅子の横に膝をついて

「私ったらなんて失礼な事を…お許しください!」

泣きそうに顔を歪めた。

「急にどうしたの、」

ほんのいつもの軽口だ。
立場上、上下関係はあるけれど
そんなのほぼ無いも同じ。
仲の良い友人だと思っている私に対して
ジャナはふとした時に私を主扱いする。

「だって私ったら睦様に…」

「いつもの事ー。2人きりの時は大丈夫よ」

他の誰かがいたら、
きっとジャナは叱られてしまうだろう。
でも、今くらいいいじゃない。

「ジャナは私にとっては友人よ?
だからいい。ジャナと話しするの大好きなの。
だってヘンな気を遣わなくて済むんだもの」

「睦様…」

ジャナは瞳をキラキラさせて私を見上げるけども…

「睦様……じゃないわ。
もう何度同じことを言ってきたの?
そろそろわかってもらえると嬉しいんだけど」

あんまり畏まったのは好きじゃない。
ジャナくらい自然に扱ってくれる人の方が
私にとっては居心地がいいのだ。




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