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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第24章 スルタンコラボ続き 〜睡蓮の恋〜









「え?そんなに降ってました?」

それがジャナの開口一番の台詞だった。
なんて幸せな人間だろう。
あの雷雨を知らない人がいたとは…。
まさかの一言だ。

「…よく寝られたわ…」

呆れに近い感情を抱きつつ、
羨ましさを隠しきれない。

「雷雨には気づきませんでしたー。
そんなに凄かったんですか?」

「そんなに凄かったよ⁉︎
地響きしてたんだよ?」

私は眠れなかった程だったんだよ?
ばかみたいじゃない。
なんなのこの差は。

「そうだったんですねー、
じゃあ睦様は
寝不足でいらっしゃいますか?」

あっけらかんとジャナは言った。

「んー…」

それがそうでもないんだなぁ…

なんて事を言えば、
割と察しのいいジャナは
すぐに気がついてしまうだろうな…。

「ちょっと、だけ」

「……睦様、
このジャナに隠し事なんて出来ませんよ」

ギクッ

「よかったですねぇ」

にっこにこのジャナは何故か
もの凄く満足そうに頷いた。

「なに、がよ?」

やな予感…。

「私、これでも割と早くから
働いているんですよ?」

「…へぇ」

「朝の早ーい時間に、
睦様のお部屋から
王子様が出て行かれたの見ましたー」

「……」

「よかったですねぇ」

「…そういうのはさぁ
見て見ぬフリをするものでしょ⁉︎」

そういうことわざわざ言葉にするとか!

「ていうか別に何もなかったし!
ただ眠っただけだし!」

「えぇー?それこそ訊いてませんよ…」

「誤解されるのが嫌なのよ、
何もなかったの!」

「別にいいじゃないですか、
何したって悪い関係じゃないんですから。
あ、そのパン、私が焼いたんです!
自信作です!」

「良くない!
何もしてないから何もしてないの!
パンはおいしいわ、さすが」

ちぎったパンを口の中に放り込みながら
私はその断面を観察する…。

「なにこれ?ニンジン?」

「そうです、こっちはヨーグルトです」

「ヨーグルトもおいしい…ジャナお店出せるわね」

「ありがとうございます!あ、
お店といえば、今日も行かれるんですか?」

ジャナはふと、給仕の手を止め私を見下ろした。



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