• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第23章 こいびとおにいちゃんズ。の彼女





「私だけのお楽しみって事で」

「お楽しみは共有してもらおうかな」

「そっかぁ…」

そう言われると思ってたなー。

「聞いたら嫌な思いするかもよ?」

「…何でだよ。いい事なんだろ?」

「私にとってはね」

ん?と首をひねった天元に

「あのねー、天元は表現しすぎ」

はっきりと伝えた。

「……?」

「何でもかんでも言い過ぎだよ。
もうちょっと控えてもらってもいいくらい」

「…言い過ぎ、ってことあるか?」

私に目を戻した天元は腑に落ちない様子。

「ちゃんと言って!、って言われんならわかるが
伝えてるのに文句言われる事ねぇだろ」

「そうかな…。そこまで言ってくれなくていいよ」

「言うってアレだろ?お前の事だろ?」

「…そう、ですね」

「贅沢な女だねぇ」

ぼやきながら、
抱きしめていた私の身体を更に引き寄せて
自分の膝に引き上げた。

「……」

「…何だよ」

私の視線に気がついて何事かと問う。

「…こういう所だよ。『過ぎる』のは」

まぁそんなこと言って
おとなしく収まっている私も私だけど。

「これも⁉︎」

心底驚いたように声を上げる。
…本当に自然にやっているところが
こっちこそ驚きだ。

「嫌って事?」

「イヤじゃないけど…」

「そうだろうな。
お前にとってはいい事なんだもんな?」

そりゃイヤなわけがない。
だって好きだもの。
でもちょっと困るのだ。
それなのに

「お前の悩みは解決しそうにねぇなぁ」

さも残念そうに言って
当たり前のように私の頬に唇を寄せる…。

この人は何を言っても何にも変わらない。
確かに、私の悩みは解決しない。
だって諸悪の根源が変わる気がないのだから。

「くっついてくれるのはいいの。好きだし。
気持ちを伝えてくれるのも嬉しいの」

「好きなのか?」

嬉しそうに私の話に割り込んでくる。
私は自分の口の前に人差し指を立てて
眉を寄せて見せた。

「ちょっと待って、聞いて。
でも私が家の仕事を始めようとした途端に
決まってくっついてくるでしょう?
絶対にわざとよね?
気持ちを伝えるのも、言葉にして。
お願いだから」

一気に捲し立てた私の言葉を
ゆっくりと嚙み砕いた天元は、

「……俺はな、」

私の背中を思わせぶりに撫で上げる…


/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp