• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜





「睦…?」

急に喋らなくなった私の背中を
ゆっくりとさすってくれる。

「ん?」

「…眠たい?」

んー…
そうかも…

「よく寝るなぁ…眠り姫かよ」

天元の憎まれ口も
夢の中の出来事のようだ。

…体力が落ちてるんだ、なんて事は
決して口には出来ないな…
この人が、
気に病んでいるのをわかっているから。
天元のせいじゃないなんてどれだけ言っても
きっと納得なんかしてくれないだろう…

「…たくさん、疲れたからね…?
愛してくれたから…」

そう伝えたら、喜んでくれるのかな…

背中なんかさすられたら
余計に眠たくなってくる。

「んー……それじゃあ…しょうがねぇな…」

苦笑い、してるような声。

「んじゃ目ぇ覚ましたら
俺とデートしようぜ。散歩がてら」

「デート…?」

その単語がひどく魅力的に聞こえて
現金な事に、ぱちりと目を開けてしまった。
それを見てフッと笑った天元は
私が目を閉じるように瞼にそっとキスをする。

…寝ろってことかな?

「あぁ、アシルんとこ」

「嫌」

即答した私を、少し離して見遣った様子…
再び目を開けると、
驚いたような戸惑うような
悲しいような諦めのような……
そんな顔をする。

よくもまぁ、私とあいつを会わせるだなんて考える。
あり得ない話だわ。

「…殺され掛けたんだけど?」

軽く睨んでやると
さっきの表情の、諦めの部分だけが色濃く残り

「はぁああー…」

大きなため息と共に脱力した。

「そうだよな…そうなるよな……」

「当然よ。絶対に会いたくないし
私の無事を知らせるのも嫌」

私はわざと冷たく突き放す。

でも、しゅんと小さくなってしまった彼が
なんだか可愛くて可哀想で…。

弟のことが、可愛いんだな。
町で元気にしているのが
嬉しくて仕方ないんだろう。
だって、それが面白いくらいに伝わってくる。

「……しょうがないなぁ」

「…?」

「ほんと、しょうがない。
じゃあ私が寝てる間中、
ぎゅってしてくれるって事で手を打つよ」

私が天元の胸にしがみつくと
ひどく驚いた様子で私を見下ろした。

「…なんだって?」

「だから、今私が寝て、起きるまでの間
ずっとぎゅってしててくれたら
もうアシルを許してあげる」



/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp