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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜





「…なら服くらい着とけよ。
そんなカッコしてるから
俺に不満があったかと思うだろ。
割と長風呂だったと思うけど?」

「…余韻に浸ってたの」

「浸るほど快かった?」

「………」

「…ならもう1回しとくか」

「すっごくヨかったー!」

のしかかろうとする広い胸を
思い切り押し離す。
今だけは逆らうまい。

「はいはい」

くくっと喉を鳴らした天元は
まったくそんな気はなさそうに
よしよしと私の髪を撫でた。

すっと立ち上がり
頭にかぶったタオルでがしがしと頭を拭き出した。

「…そんな拭き方したら髪が傷むよ?
せっかく綺麗な髪なのに」

私が言うと
垂れたタオルの隙間から目だけを覗かせる。

「キレイナカミ…?」

手を止めて、私の言葉を繰り返した。

綺麗だと思うけどな。
自分ではわからないのかな…

「俺は綺麗で色男か?」

再びがしがしと髪を拭き、
突拍子もないことを訊く。

「…うん」

素直に頷く私に

「そうだろうな」

そんな返事をして
使い終わったタオルを片付けに行った。

…今のは何だったんだろう。
自分は容姿端麗だと自覚してるってこと…?
それは…
他の人だったら眉をひそめる所だけど
天元に関しては頷けるかもしれない。

戻ってきた天元は
何の躊躇いもなく私の隣にごろりと横たわった。

「今日は腹減ったって言わねぇの?」

意地悪く笑いながら
からかうように言う。
…過去の悪夢が蘇るひと言だ。

「減らない」

ぷいと顔を背けた私の肩に腕を回して、

「あぁ……そりゃそうか…」

切なげな声を出す。
そんな落ち込んだような声を聞いてしまったら
あんな態度を取った事を後悔するじゃない。
きっと彼も、からかったことを
まずかったと思ったに違いない。

肩を指先でそっとさすって

「…痩せたな」

悲しそうに目を伏せた。

「そんな顔しないで?
天元のせいじゃないもの」

ほぼ栄養剤や点滴で過ごしていた私は
彼の言うように、確かに痩せた。
でも立ち上がっても眩暈はしないし
元気は元気なのだ。
ただ、踊るのはまだ先の話になりそう…。

「たくさん食べろよ?」

「食べるよ。ここのご飯、
とっても美味しいもの」

彼の胸にこつんとおでこを預けると
優しく抱き寄せてくれて、
お風呂上がりの天元からは
お花のような甘い香りがした。


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