• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜





カラカラと笑ってしまう私に

「睦、…それだけ俺に余裕がねぇってコト
わかってやってんのか…?」

天元は強く言った。

「…えぇ?」

見上げた先に、
切羽詰まったような表情…

……これ、…

覚えがある…
この人のこんな顔…















もう、限界だと思った。

こいつが意識を失ったあの日、
本当なら愛し合うつもりでいた。
それがあんなケンカに発展して
最悪な事に悪夢のような結果になった。

睦の看病を必死でしてくれる
雛鶴、まきを、須磨と、
侍女のジャナを支えながら公務をこなし
睦の元に帰る毎日。
昼間、交代で看病をする皆は
だいぶ疲れが溜まっていた為に
夜中の間は俺が睦についている事に決めた。

最初の1週間は
神経が冴えてちっとも眠れなかった。
そんな俺を見兼ねた雛鶴が
眠れる薬を処方してくれた程だ。

1か月で目を覚ましたはいいが
そこからがまた大変で、
体力は落ちてるわ声は出せねぇわ
ものは食えねぇわで
本人のストレスが激しかった。

ついでに、あんな事があって
情緒不安定になり
急に泣き出したり塞ぎ込んだり、
今までの睦からは
想像もつかないくらいの状態が続いた。

ただひとつの救いは、
俺がそばにいる時だけは
睦も穏やかにしてくれて
そうされると、そばにいてやならければという
責任感のようなものが芽生え
どれだけ疲れていようが
公務で帰りが遅くなろうが
必ず睦の部屋へ顔を出すようになった。

睦もそれを待っていてくれるから
俺もまた行ってやりたいと強く思えたんだ。

そんな事を続けるうちに、
睦は少しずつ歩くようになり、
話せるようになり、
柔らかいものを食えるようになり、
心の傷も癒えて行った。

それで、
やっと、今日だ。
3か月と半、長かったと思う。
多少、無理している所はあるかもしれないが
睦は自分で、
体力も随分と戻ったと言っていた。
元気を取り戻し、
しかも俺の事を揶揄う余裕さえ出て来た。

そして、この距離感、この見つめ合う間。

俺が欲情した事に
睦は気づいただろう。
それなのに掴まれた腕を引く事もなく
目を逸らす事もなく…。

そうなれば、俺がすることなんてひとつ。



/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp