第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜
少しだけ、距離を詰めた。
睦の反応を見逃さないよう、
目を逸らす事なく見つめながら。
まだ、大丈夫…
こいつが、俺の目を見つめ返している間は…
様子を確かめながら、
確実に口唇を寄せていくと、
それ以上ないくらいに近づいた時、
耐えられなくなったのか
睦がフと目を伏せた。
その隙を狙って、唇を重ねた。
びくりと肩を跳ねさせ
少しだけ顎を引こうとするのを
指先で支える。
逃げ場を失った睦は
そのままおとなしく、
俺の口づけを受け入れてくれた。
それでも、
どうすればいいのかわからないように
キツく引き結ばれた唇を解してやるように
舌でペロリと舐めてやると
きゅっと俺の胸元に縋り付き
「んん」
戸惑ったような声を上げる。
……
「睦…」
両手で真っ白な頬を支え
親指の腹で撫でてやると、
ゆっくりと瞼を上げた。
視線が絡まった瞬間、
怯えたように逸らそうとする。
「待て睦…俺を見ろ…
逃げるなよ……怖い、か?」
逸らすのを
何とか踏みとどまってくれた睦は
全身からすうっと力を抜いて
小さくかぶりを振った。
「…ほんとだな?」
返事の代わりに
ぎゅっと抱きついてくる。
そのまま俺を見上げる睦は
思わせぶりに目を閉じた。
少し乱れた髪を撫でつけて
さっきよりも深く口づける。
怖くないと言ったのは
きっと精一杯の強がりで
がちがちに緊張しているのなんか
明白だった。
それでも俺に応えてくれようとする
睦がいじらしくて、愛おしい。
ベッド、とまでとはいかないが
ふたりで寝転んでも余裕があるソファ。
そこに睦をゆっくり押し倒す。
遠慮がちに開かれた唇を割り入って
小さな舌を絡め取る。
つかまる場所を求めてか、
俺の髪を梳き、
そのまま首の後ろに腕を巻きつけた。
上顎を舌先でそっと撫でると
「…んぁ…」
少し背中を反らして身をよじる。
久しぶりの感覚に、
自分がひどく昂っているのがわかる。
俺だって緊張しないわけじゃねぇ…
好きな女を抱けると思うと
いつも心が震えるよ。
それを噛み締めるように、
睦の舌を堪能する。