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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜





もうひと切れフォークに刺すと

「食べてあげた?」

それを天元の口元に差し出した。

「……」

私の目を見つめながら
無言でぱくっと喰いついた。

「……うま」

「ねー。愛情こもってるからじゃない?」

くすりと笑って
自分ももうひとかじり。

「ありがとな睦。
お前のおかげで皆が救われた。
そのせいでお前を随分な目にあわせたな。
どうやって償っていいか…」

真剣な瞳で語る目の前の人は、
…あんまり真面目すぎて。

「じゃあ、私の願いを聞いて」

「願い…?」

「えぇ。私、もうとっても元気なの。
体力も少しずつだけど戻って来てるのよ?
だから、また前のように踊りたい。
でもここにいたら
好きなようにできないでしょ…?」

私が話を進めるにつれて、
天元の目に絶望の色が濃くなっていった。

そして
ガタンっと椅子を倒して乱暴に立ち上がり
テーブルを挟んで身を乗り出したかと思うと
私の両腕を掴み上げ私まで立ち上がらせる。

何事かと、彼をただ見上げている私を
激昂し切ったように睨みつけ、

「出て行くつもりか…!」

低い唸り声を上げた。

「あんな目に遭わされたからか?
ここにいるのが怖くなった…」

勘違いをしている天元に、
私はそっとキスをした。

「天元の悪い所はー、
すぐに早とちりする所。
そんなんじゃ、町の人たちに笑われるよ?」

私の指摘に、グッと喉を詰まらせて

「…お前の事でだけだ。
誤解させるような言い方すんな」

こちらをジロリと睨んでみせる。

「まだ話の途中でしょう?
ちゃんと聞いて」

「……はぁあー…
わかったから、ちょっとこっち来い」

肩を抱かれて連れて行かれたのは
天元も余裕で横になれるソファだ。

私の意識が失われている間に
この部屋で自由に休めるよう、
天元が用意させたんだとか…。
もともとあったソファが気に入っていた私は
この大きすぎるソファが邪魔で
撤去してくれと頼んだのに
俺が使うんだから必要ないと言われ
設置されたままになっていた。

そこに並んで座り、
互いの身体を密着させるように抱きしめられる。

「ん。いいぞ」

いいぞ、って…。

「…このまま話すの?」

「あぁ。これなら安心だからな」

「何が…?私は落ち着かないんだけど…」



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