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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜





仲間と旅をしていたはずだけど。
人なんか、…
そういえば誰にも会わない。
誰ともすれ違わない。

海と反対側に顔を向ければ、
たくさんの建物や商店らしいものが
見えるのに。
間違いなく町があるのに。

良く見れば、
王宮のような立派な建物もある。

それなのに、
誰とも会わないなんておかしくないだろうか…

——雨が、ひどくなって来た。
このままじゃ、びしょ濡れだ…

「あ!お姉ちゃん!」

突然、後ろで女の子の声がした。
驚いて振り向くと、
見覚えのある女の子…。

「お姉ちゃん、濡れちゃうよ!
早く、止ませてあげて」

えぇ?

「雨を?」

「そう、早く止ませてあげて!」

どういうこと?

「私に雨を止める力なんてないよ…」

あれ?
この子…
町でお花を売っていた女の子じゃないかな?

「あなた、ジュリちゃん?」

そうだ、ジュリちゃん。
そう呼んでいた。

……誰が、呼んでいたんだっけ…。

所々、記憶が抜け落ちているようだった。
大切な人を、忘れているような気がしていた。

そもそも、これは現実か?
それにしては…リアリティに欠ける。

でもそんな事を考えたり、
何かを思い出そうとすると、
頭痛がして、吐き気がひどくなるんだ。
だから何も考えたくないの。

でも、

「ごめんねジュリちゃん。
私もう行かなくちゃいけないの」

向こうへ行かなくちゃいけない事だけは
はっきりとわかっていた。

あんな小さな子をひとり
こんな所に置いていかなくてはならない事は
とても心苦しいけれど…

「睦…!」

…あれ?
誰かが呼んでる。
私の名前?

誰もいないのに。

誰の声?





「お姉ちゃん、そっちは雨がひどいんだよ?」


そう言い残して
ジュリ

ちゃんは


姿を消した。


私の行く方は、雨がひどいの?
…晴れてるように見えるけど…

ここはどこなんだろう。

だんだん怖くなって来たよ。
どうしたらいい?
ねぇ、………





不安を抱えながら、
それでも行かなければと思い
私はまた歩き出した。

さっきの女の子が、
雨がひどいと言った方へ…

…でも、
どうしてあっちへ行かなくちゃならないんだろ。
そんな気がするのは何故?

急に、間違っていたような気がして
不安になる。
私…
ここを抜け出さなくちゃいけない。



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